Daryll-Ann : Weeps
ARTIST / Daryll-Ann
TITLE / Weeps
LABEL / excelsior recordings / badnews
DATE / 1996 / 2000
TITLE / Weeps
LABEL / excelsior recordings / badnews
DATE / 1996 / 2000
2408。以前紹介した2nd盤"Seaborne West"では熱っぽくDaryll-Annの思い出を語ったけれど、本作を聴いてその印象は何も変わらない。オランダの誰も知らないバンドDaryll-Annの3rd。記事に挙げているジャケは日本盤のもの。badnewsは当時そこそこ国内外のバンドの盤を刷っていた日本のインディレーベル。そのつつましやかな思い出は先のリンク先に書かれているので繰り返しはしない。日本語盤の帯の冒頭に書かれているのは「タヒチ80のメンバーもオールタイム・フェイヴァリットとしてその名前をあげる」だ。そういう時代。そういう言説で音楽を売り込もうとし、それが適度に成功していた時代の産物。ある意味は幸運なバンドだったと思う。結局一切名前を聴くことなく2004年に解散することになるのだが。ただ、音を聴けばわかる。Daryll-AnnはDaryll-Annだということ。本作を日本流通盤として、解説まで丁寧につけてリリースしようとどっかの担当者を思わせる程度にDaryll-Annだということ。そこここに漂う郷愁は、決して上手ではないにも関わらず雰囲気に満ちた身振りと、高音のボーカルによって運ばれ、天啓がなければ作ることができないという極上のメロディを余裕たっぷりに構成し、提示している。今でも各々がソロであったりで活動をしているようだ。彼らの名前が世界的な成功でもって浮上し、Daryll-Annというバンドへと人々の目がさかのぼることを夢想しながら。投げ売りされているので聴いてみるがいいさ。