Brian Eno : Discreet Music
ARTIST / Brian Eno
TITLE / Discreet Music
LABEL / obscure
DATE / 1975
TITLE / Discreet Music
LABEL / obscure
DATE / 1975
2326。以前紹介した盤"Apollo - Atmospheres & Soundtracks"。あれ、これもってるよな、持ってなかったけ、いや多分持ってる、でも持ってないかも、もうわからないや。そんな盤が有名作家には多い。持ってる気分になる。あるいは本当に持っているのに、ほとんど聴いてないから持ってないかも感を持ってしまう。本作も、敬愛するBrian Enoの1枚であるからこそ、そんな錯覚というか、経験の消失に直面する。聴いたことあるのか、、俺は??という。特にこのブログを始める前から好きだから、備忘録の記事も見つからない場合があるのでたちが悪い。今でもよくわからない。とりあえずレビューはしていないようなので。本作はEnoソロの4枚目くらい。自身のレーベルobscureからもカタ番は3番目で、自身としては初リリースとなった。もはや、Obscure Musicというタイトルでもいいじゃないかと思うけど、そこは公私混同を分けEnoなのかどうか知らないけど、タイトルは"Discreet Music"。アンビエントの創始者として、その非具象性は、浮遊するような旋律を不定形に漂わせるスタイルによって、今でもわれわれの生活空間を埋める思想である。まだ旋律性が強く見て取れないでもないけど、すでに本作で十分その方向性は示されている。そもそもRobert Frippさまとの共同作業によって、その着想を実現しつつあり、一部は全作の"Another Green World"で実践されたけど、レーベルまで起こし、前面的に進んだのは初めてではないか。それゆえに割りと重要な1枚だと思われる。30分を超える表題曲がその全てをあらわしている。どういうわけか、残り3曲はJohann Pachelbelによるニ長調カノンの変奏曲である。そのBPMの極端な拡張により、確かにビートは拡散し、アトモスフィアがやや歪んでるところに、何かそのリアレンジによる方向性も匂わせている。指揮はレーベルメイトのGavin Bryars。弦楽の演奏は、the Cockpit Ensembleという集団。 これはこれで面白いけどメインはやはり表題曲なのだと思う。ひとつのフレーズをフィードバックして、もうひとつのフレーズが絶妙にずれながら響き渡る。フリッパトロニクスから始まった音楽の新しいモードは、天才によってあっさりと完璧な形へと昇華されるわけだ。あごが外れそうですね。