The Red Krayola : Introduction
ARTIST / The Red Krayola
TITLE / Introduction
LABEL / drac city
DATE / 2006
TITLE / Introduction
LABEL / drac city
DATE / 2006
2323。以前紹介した盤"Japan In Paris In L.A."。2323。Mayo Thompsonを中心に、彼を慕って集まるシカゴのミュージシャンたち。決してぎらぎらしたり、挑戦的なアプローチを見せたりするわけではなく、しっかりとした歌を据えて、音楽をやっている。それがThe Red Krayolaというプロジェクトな気がしている。本作に集まっているプレイヤーは以下のとおり。John McEntire(ドラム、シンセ、録音ミックス)、Stephen Prina(ギターその他、参考)、Noel Kupersmith(ベース、参考)。いちおうそれぞれ、メンバーのような扱いでもあり、ジャケ写にも裏表で顔がプリントされている。おそらく表ジャケのアコーディオン弾きはCharlie Abelという方。プロジェクトとしては牧歌的に転回するような楽曲が多い印象だが、それがどういうことでしょうか、M3の丹精なつくりなんかは、仕事ぶりがThe Aluminum Groupのようなさわやかさと00年代のポップネスを感じさせます。渋さとは無縁の軽やかさです。2006年といえば、シカゴのシーンが割りとひと段落した頃でしょうか。Tortoiseも"It's All Around You"のリリースが2004年です。世間の関心もすっと抜けるようにシカゴシカゴいわなくなってきている頃です。いいのか悪いのかは置くとして。それでもジョンマケの関心を反映したようなエッジの効いたアプローチもある。シンセで組んだようなパターンのビートがあったり、リズム自体がもこもこと瓦解していたりする。サイケデリックから世界放浪のたびを経て、芸歴も40年を超えるMayo Thompson自体がどこまでこのアプローチをウェルカムで受け入れているのか気になるところ。ただインナースリーブによれば、本作は、オーストリアはグラーツ出身の画家(と思われる)Jörg Schlickに捧げられている。画像検索すると、割とサイケデリックな色調の作品を発表しているようだ。そんな作家への敬愛を考えると、決して不可解なやり口ではないのかもしれない。たとえ、Mayoさんが当時60歳を超えていたとしても。シカゴ勢の落ち着いた仕事ぶりを感じられる割と面白い1枚ではある。