Shipping News : Save Everything
ARTIST / Shipping News
TITLE / Save Everything
LABEL / quaterstick
DATE / 1997
TITLE / Save Everything
LABEL / quaterstick
DATE / 1997
2322。かっこいいですね。USインディーのある地域的なシーン(ルイヴィル~シカゴ)も一定のファンを獲得し、その土壌のなかでバンドも流動的に解体や再生を繰り返す。熱い時代でした。しかし時代と呼ぶにはあまりにも短い。Shipping Newsもそんな、いろんなバンドのごった煮のなかから新人としては誇れないメンツとして登場しています。メンバーはJeff Mueller(ギター)、Jason Noble、 Kyle Crabtree(ドラム)。ラストのM6だけJeffとJasonが楽器を持ち替えます。Jeffさんといえば、RodanからJune Of 44を経ているわけです。JasonもRodanのメンバーでした(ちなみに、Jasonが中心メンバーのRachel'sのボーカルRachel GrimesがM5で客演している)。この3ピース感覚っていうのは、ちょっとした先達としてShellacがいるわけですけれども、本作の録音をRobert Westonとやっているあたり、符合を感じないわけにはいかない。というかJune Of 44、Rodanからの付き合いなわけですけど。やっていることは、割とロウで重い音を貴重としながらのソローコア気味の展開を見せる。ざくざくぎらぎらとしたソリッドさを立て続けるわけではなく、当時の流行をある程度は引き受けている印象を受ける。特に10分を超える長尺の場合では。それでも、ソリッドに攻めるときは攻める。割と控えめな演奏だが、ハーモニクスも響かせながら繊細さの演出も忘れない。すごくバランスの良いバンドだった。その振り切れない優等生ぶりは、結局のところ広い支持を集めず、ただの系譜へと押し込められることになるわけだけど。同時代の仲間たちが、半ば伝説的な立ち位置を保ちつつ、今なお現役感を発揮しているというのに。JeffとJasonは数年前のRodanから3年でこのバンドにたどり着いたわけだ。現在から振り返って眺めてみると、その数年というのは、何か夢のような経過がある。たった3年である。メインストリームでは、1997に音楽の崩れる音がし始める。それでもShipping Newsは今度は、駆け抜けることもなくゆっくりとコンスタントに2010年まで数枚の新譜をリリースし続けた。それ以後は沈黙しているが。そろそろ動き出す頃であろうか。