大森靖子 & The ピンクトカレフ : トカレフ
ARTIST / 大森靖子 & The ピンクトカレフ
TITLE / トカレフ
LABEL / avex
DATE /2015
TITLE / トカレフ
LABEL / avex
DATE /2015
2273。以前紹介した盤"洗脳 (type ■)"。帯び曰く「2015年音楽界の優先暴走席に鎮座する大森靖子がワンダフルワールドエンドに「棘ろう」と告げる。大森靖子&Theピンクトカレフ1stラストフルアルバム」。大森靖子がバンド形式でやってみましたテヘへってな具合で、活動を活発化して進んでいたにも関わらず、あっさりばっさりと切って捨てさられたピンクトカレフという集団。それが、大森大将本人による判断なのか、レーベルによる判断なのか、その総合によるものなのかは、「ああ、バンドの成長待てないなって思いました」という言葉から察するしかありませんが、そんなこんなで、本作が最初で最後のピンクトカレフの名前を与えられた1枚となった。トカレフってのは、もちろん今は亡きフェラチオフォークシンガー加地等の同名作から拝借されたもので、本作も大森さんの曲と加地さんのカバーで構成されている(しかも、ラストトラックだ。M12「これで終わりにしたい」とまるでうまく言っているかのような締めくくりである)。どこまでも大森さんは、加地へのリスペクトを忘れないということを言明し続けるわけであった。そのために、その憧憬を実現するために、ビジュアル系ゲーム音楽その他もろもろを大切にする有象無象のバンドマンたちは、ピンク色に染められ、お姫さまに精神を捧げるように、演奏を続け、そしてやめた。わりとあっさりした物語なのであった。塩ラーメンごたる展開に、われわれはなんとか美しい物語を探り、捨て、そして、また探り、結局何も見つけられないけど、最後のライブへと足を運び、そして、満足して、やっぱり大森靖子は最高だな、っていうクイズの答えに到達して、明日へ備えるのである。ピンクトカレフのメンバーを紹介しよう。それが礼儀だ。2011年結成時からのメンバーは壊れかけのテープレコーダーズの森清貴(ギター)、DPGの特撮大好き大内ライダー(ベース)、川畑 usi 智史(ドラム)。そして2013年夏より、さらにうみのての高野京介(ギター)を追加している。とにかくギターだよっていう学生バンドのようなぶち込み方で、姫に準じるピンクトカレフの面々の物語ははかなくも、悲しい。彼らが到達したメジャーは、もちろん大森靖子に連れてきてもらったメジャーであるが、結局Mステには出られなかった。それでもMJには出た!それで終わり。めでたしめでたしじゃないか。うえーい、じゃないか。成功したバンドメンだよピントカは。本作に収録されていて、ソロ時の楽曲ではないのは、ラストを除けばM4「みかんのうた」、M6「料理長の音楽は豚肉の焼ける音だった」、M9「苺フラッペは溶けていた」。大森靖子らしい程よい按配で作られた曲たちである。これにM3「ワンダフルワールドエンド」も含めるべきか。橋本愛らが主演した同名映画は本当にどうしようもない仕上がりだったけれど、素晴らしく涙なしでは理解できない一文が備えられた曲が聴けるのは本作だけである。
no ミュージック no ミュージック 毎日クソだ
ミュージック
ライブでアガル仕様で作られた曲たちは、だいたいがフムフムと終わるわけだけど、M1「hayatochiri」のイントロだけは見事な身振りだと思う。このイントロだけで、彼らは十全に戦い、勝ったといえる。それで終わり。あとは好きな部分をそれぞれが抱えて、落ちないように運んでいって欲しい。それにしても、大森靖子がえげつないのは、本作と同時にリリースされた映画のDVDをバンドルで買うことで特典として与えられる「愛してる.com」が素晴らしい曲だということである。映画にも挿入されている3分にも満たない弾き語りとコーラスで構成された曲が一番響いてる時点で、やってることがえげつないと思う。そのまま進んでいくはずの大森靖子のこれからの仕上がりは、どんな感じになるかは、もはや良い方向にも悪い方向にも想像できないけれど、2015年7月にはメジャー2ndシングルも控えている。そして子どもを生み、次の一手を模索する。年下のミュージシャンにどこまでもやれらるのか。それとも彼女がやめるのか。音楽が<あること>そのものを抱えて、がんばって欲しい。
no ミュージック no ミュージック 毎日クソだ
ミュージック
ライブでアガル仕様で作られた曲たちは、だいたいがフムフムと終わるわけだけど、M1「hayatochiri」のイントロだけは見事な身振りだと思う。このイントロだけで、彼らは十全に戦い、勝ったといえる。それで終わり。あとは好きな部分をそれぞれが抱えて、落ちないように運んでいって欲しい。それにしても、大森靖子がえげつないのは、本作と同時にリリースされた映画のDVDをバンドルで買うことで特典として与えられる「愛してる.com」が素晴らしい曲だということである。映画にも挿入されている3分にも満たない弾き語りとコーラスで構成された曲が一番響いてる時点で、やってることがえげつないと思う。そのまま進んでいくはずの大森靖子のこれからの仕上がりは、どんな感じになるかは、もはや良い方向にも悪い方向にも想像できないけれど、2015年7月にはメジャー2ndシングルも控えている。そして子どもを生み、次の一手を模索する。年下のミュージシャンにどこまでもやれらるのか。それとも彼女がやめるのか。音楽が<あること>そのものを抱えて、がんばって欲しい。