B12 : Last Days Of Silence Remixes
ARTIST / B12
TITLE / Last Days Of Silence Remixes
LABEL / b12
DATE / 2008
TITLE / Last Days Of Silence Remixes
LABEL / b12
DATE / 2008
2271。以前紹介した盤"B12 Records Archive Volume 7 "。90年代前半にベッドルームテクノの中心的存在として先鋭化し、速攻で消えたかのように見えたB12だが、2008年は彼らが高らかに復活を宣言したメモリアル・イヤーだった。本作、そしてそのオリジナル盤、さらには数年がかりで連続リリースされたアーカイブ集と、ごくごく少数にとどまる世界中のファンを喜ばせた。リミックス集といっても自家発電である。その悲しさるや、いや、その悲しさを吹き飛ばして、「俺たちだけがいればいいだろう」といわんばかりの態度でファンを喜ばせようとするB12のサービス精神たるや素晴らしい。本作は900枚限定だという。たった900人のために作られた、最高のプレゼントなのである。M5M7はオリジナルとなる"Last Days Of Silence"から収録されている。その辺は、まあちょっとしたバランスのとり方である。手抜きなどではないだろう。M5はオリジナル盤収録時点でRedcallリミックスとなっているが、ご存知のようにB12の2人による変名である。そしてM3M8は未発表曲であり、残りも本人たちのリミックスだという(M6'Within Reason'のタイトルがオリジナルにないけど)。ややアンダーな曲が並ぶが、やっていることは、どこまでもベッドルームで完結するような代物であり、その変わらないB12の精神性を楽しむことが出来る。彼らが追いかけたデトロイトの源流は、どういうわけかここ数年活発に活動している。そして皮肉にも、フォロワーたちの役目はオリジネイターの復権により、その居場所を奪われた??。そんなことはない。少なくともB12をはじめとして、その出世頭としてのAphex Twinはとうとうグラミーまでとったわけだ。彼らは追いかけられる程度にはオリジナルな存在となったし、B12にしか出せない音楽というものはきっとあるわけで。だから僕はどこまでも真摯にテクノ界の演歌とでもいうべき音楽を鳴らそうとするB12には、まだまだやってもらいたいのである。オリジナルも葬送に手に入れよう。