Drexciya : Journey Of The Deep Sea Dweller II
ARTIST / Drexciya
TITLE / Journey Of The Deep Sea Dweller II
LABEL / clone classic cuts
DATE / 2012
TITLE / Journey Of The Deep Sea Dweller II
LABEL / clone classic cuts
DATE / 2012
2261。以前紹介した盤"Journey Of The Deep Sea Dweller I"。残された楽曲を取り纏めてシリーズで出されるような作家がどの程度いるだろうか。文学で言えば、その重要性をアクチュアルに評価され続けるような作家だ。Drexciyaはそういう作家だ。巨匠の域である。そんな2人組みDrexciyaによる2枚目の作品集。今回も未発表曲が収録されていて、M9とM13。まさに「知られざる旅」といった趣である。そのほかには、submergeよりリリースの"The Unknown Aquazone"(1994)、"Molecular Enhancement"1995"、"The Quest"(1997)に収録されていた曲たち、urの下部レーベルsomewhere in detroitよりリリースされた激レア"なUncharted EP"(1998)に忍び込まされていた曲たち、urよりリリースされた"Bubble Metropolis"(1993)と" The Return Of Drexciya"(1996)にぶち込まれていた曲たち、warpよりリリースされた" The Journey Home"(1995)からも投入し、そしてreactのコンピ"True People: The Detroit Techno Album"(1996)の冒頭を飾ったエクスクルーシブ曲まで網羅。ちょっとがんばれば手に入るものもあれば、そうでないものもある。人気がある(といえるかは微妙か)関わらず、プレス数が制限されているという矛盾。人気がないなら矛盾でもなんでもないが。それを解決するために企図された作品集が、今なら滑らかに手に入るわけだから、一方的なパッケージ音楽産業が崩壊しかけている今であるからこそ、こういう価値を大事にする流れになれば良いと思う。フィジカルな在庫などいらない。サーバーとそれを管理すること。その手間隙は弓状的に解決されているんじゃないか。オンデマンド式のやり口でもって、われわれがコミットできないデータは存在しないという世界。もちろん適切な金を払って。制限された価値という骨董的なやり口はもはや今や昔。無限に複製されても不変なデジタルデータの海の中で、僕たちはいつだってDrexiyaの夢を見る、という。いいんじゃないか。