Cannonball Adderley : Somethin' Else
ARTIST / Cannonball Adderley
TITLE / Somethin' Else
LABEL / blue note
DATE / 1958
TITLE / Somethin' Else
LABEL / blue note
DATE / 1958
2262。ジャズ名盤探訪いまさらかよ勘弁してくれシリーズ。一家に1枚、きっとあるに違いないこれ。誰もが知ってる通称「枯葉」から幕を明ける本作を堪能するには、俺の足腰は弱っている。アルトサックスのCannonbakll Adderleyを名目上の表看板にすえながら、なんといってもガンキマリのMiles Davisがトランペットを丹精し、Hank Jonesgaがピアノで音場を演出、Sam JonesのベースとArt Blakeyのドラムはどこまでも落ち着いて物事を捕らえている。当時コロンビアとの契約があった中毒者Miles Davisが表立っては裏に回るというややこしいやり方で本作が出来上がったのはあまりにも有名な話で、本作のジャケにも小さく'Miles Davis performs by courtesy of Columbia records'と記されている。そしてこの1枚が仕上がったと。なんといっても問題の'Autumn Leaves'は一部のジャズファンがあえて否定的に入りたがるように、ややもっさりとしたイントロに、もったいぶったテーマ、それに続く雰囲気ゲームをもってして、この音楽の力が低下した21世紀において、多分力はないだろう。懐メロ、といっても聞こえが良いような、そんな力を失った音楽の響きである。そんな中でも、僕たちは、かっこいいんじゃないかという身振りでもってジャズを聴く。音楽を聴く。それでいいじゃないかという前提条件を持たない肯定によって歴史的名盤を受け入れるのである。それでいいじゃないか。もはや全てにノーがつき、その逆の逆でもって逆を楽しむ中心を欠いた時代において、そんなに泣きのプレイをされても困るんだよなぁ。今の子どもたちは、この盤をきちんと引き継いでくれるかなぁ。そんなにこの数十年の間に糞みたいな音楽しかなかったのかなぁと。そんなことを考えてしまう。そんなことはないし、多分きっとそれはそれとして、本作はきちんとジャズ名盤の中にたたずみ、こすられ続けていき、そして参照なき参照として輝き続けるに違いない。聴いてる分には悪意なく、染みる1枚である。半世紀以上前の録音だぜ。笑える。