Indian Rope : Gimmie Brighter
ARTIST / Indian Rope
TITLE / Gimmie Brighter
LABEL / trattoria
DATE / 2001
TITLE / Gimmie Brighter
LABEL / trattoria
DATE / 2001
2212。以前紹介した盤"Limbo"。当時、僕なりに刹那的熱狂をしたIndhian Ropeの2nd。1stと同年にリリースされた本作は、全20曲の短編を並べたニア・インストで、その声は楽器の一部としてサンプリングされている。前作でみせたThe Beach Boys的な声の広がりが楽器となることで、その雰囲気は強められているのかもしれない。時間を置かずにリリースするには理想的だった、のかもしれないけれど、その後彼は黙ってしまった。それ以来忘れ去られてしまった、ような気がする。本作は、そこまでやりきったというニュアンスがこめられているとは思えなかったのだけれど。もちろんこの手の音楽は、今も昔も、さほど売れるわけではない。だからなのかは知らないけれど、かれは、小山田君が今でもやっているように、SF系のアニメに楽曲を提供するなどの展開を見せていたようだ。「ラスト・エグザイル」、「ガン・ソード」といった適度以上にアニメを見ている人間なら知っているけど、決して広く世論クリティークを必要としない作品たち。結局はそれも商業ベースにはならないのである(その点小山田君は、こちらもさほど今ではスピンオフ的な位置づけになるが、よりビッグネームだと勝手に考える「攻殻機動隊 Arise」の仕事をこなしている)。公式ホームページによれば、Indian Ropeから10年たって、2011年にソロ盤に着手したという情報はあるが、その続報は与えられていない。何をしてるんだろう。残念ながら、本作に10年以上待たせる力はない。ただ、そのあたう限りの祝祭的なポップネスはインストになっても損なわれることはない。どのシーンにも聞きたい思わないけれど、作品内部で完結しているがゆえに、現在でもそれほど意味を失うことはない。もちろん省みられることもほとんどない。それでも、Indian Ropeは僕の記憶にしっかりと刻まれている。それ自体に価値はないが、僕にとっては価値がある。ちなみに本作が出て3ヶ月後に、盟友の小山田君は"Point"をリリースする。そういうものだ。