Will Oldham : Ode Music
ARTIST / Will Oldham
TITLE / Ode Music
LABEL / drag city
DATE / 1999
TITLE / Ode Music
LABEL / drag city
DATE / 1999
[35-71]。以前紹介した盤"Guarapero (Lost Blues 2)"。drag cityのカントリー、フォークよりの古参Bonnie "Prince" BilkyことWill Oldhamによるサントラ。Kelly Reichardtなる誰やねんによるショート映画"ODE"のために録音されました。今年も新作を撮った適度に売れている女流監督みたいです。知ってる人は知ってるんでしょう。多分ジャケットのような、シーンがある映画なのだろう。ちなみに描いたのはこちらも映画監督のTodd Haynes。"Velvet Goldmine"なんかを撮った人ですね。インストです。O'Rourkeのような、とまでは行かないまでも、爪弾かれるギターは小規模な旋律をちょこちょこと毛玉しながら、決して目立たず、仰々しくならず、ひっそりと反復している。枯れたボーカルを期待している人にとったら、インストである以上、肩透かしを食らうかもしれませんが、僕はこれはこれで、グッド雰囲気音楽だと思う。時に感傷的に、時にフラットに。決して主張せず、穏やかに、夜に沿って鳴ってくれる。音響的気配りってのも重要かもしれない。透き通った音である。M1は3回ほど変奏(多分)されているし、M2M3M4も2回変奏されるから、ボリュームによる満足感は小さいかもしれないけど、これぐらいの控えめさがモテる理由なんではないでしょうか。複層的なギターは一筋縄ではいかず、この程度ならさらっとやるんだぜ俺たちはというところでしょうか。20世紀も終わろうとする中、愚直にギターを鳴らす音楽家の生き様。悪くない。