This Town Needs Guns : 13.0.0.0.0
ARTIST / This Town Needs Guns
TITLE / 13.0.0.0.0
LABEL / sargent house
DATE / 2013
TITLE / 13.0.0.0.0
LABEL / sargent house
DATE / 2013
[66-71]。久しぶりに、リアルタイムのバンドを追ってみる。Lサイドにおいてtwitterで言及されていたナウ。現在進行形のナウ。信条的には、バンド名はどうかなぁという印象があるけれど、やっていることは歌モノで、かつてはポストロなる冠を与えられていたような、そんな場所で、ある意味時代遅れの音楽をやっているという。10年で時代遅れ。そういう時代である。もはや早漏なのである。早漏世界だ。Peleのテクスチャに似た演奏をしながら、歌を乗っけて、悪くないクオリティで、買ってみようかしらんと思わせる程度に響く最近のバンドだ。悪くない。というかよい。こんなものをいまだによいと思ってしまう自分の進歩のなさに、愕然としつつ、これを40代50代60代になっても聴いていると思うとぞっとするのである。かつてThe Beatlesに熱狂した世代が、年老いても彼らを信奉しているように。This Town Needs Gunsがそれほどのバンドであるなんていう意味ではなくて、僕自身の話として、その見え透いた状況に愕然とするのである。多分聴いているだろう。多分をとってもよい。愛しているだろう。絶対をつけてもよい。This Town Needs Gunsは2004年に結成されたイギリスはオックスフォード出身のバンド。ちなみにPeleが活動を停止させるのも2004年。学生仲間から展開するという理想的な形で、共通の趣味の俺たちが集まってバンドやってます、こましな。って雰囲気。イギリスよりも明らかにアメリカのそれらからたくさん吸収していると想像されるわけだが、Radioheadの地元でもあるということで、かけられるいわれのない期待なんてのもちりばめられている模様です。Tim Collis(ギター)、Chris Collis(ドラム)、 Jamie Cooper(ベース)、 Stuart Smith(ボーカル)という布陣で、瓦解しながらも適切な密度で鳴らされるうまいといっても問題はないであろう演奏に、エモいボーカルが旋律をのせていく。おそらく多くの90年代後半から00年代前半の先達たちがなんとか形にして着地したいと模索していたスタイルだと思う。音楽は、決してそのまま停滞しているわけではない。若い世代が、それまでの遺産を全部吸収したうえで、早い段階から完成された状況でスタートできるのだから。そこから、新しい核心に触れることができるかどうかは別問題であるとしても。まったく新しいものをひねり出す時間は用意されているのである。正直いって、This Town Needs Gunsが今の10代にどこまで響くのかは知らない。でもでも、僕たちは彼らに期待している。とてもか細く、脆弱な期待を。聴け。ちなみ似sargent houseはアメリカのまずまずな新興レーベルで、Tera MelosやHellaなんかの盤をリリースしています。