The Matthew Herbert Big Band : Goodbye Swingtime
ARTIST /The Matthew Herbert Big Band
TITLE / Goodbye Swingtime
LABEL / accidental
DATE / 2003
TITLE / Goodbye Swingtime
LABEL / accidental
DATE / 2003
[65-71]。Lサイドによるレビューはこちら。以前紹介した関連盤"Score"。よいタイトルです。天才音楽家Matthew Herbertによる余裕に満ちた余技。ハウスからスタートして、フューチャー・ジャズへと接合していく軽やかさは、決して予想外ではなくとも容易ではない。センスのレベルではない。天才でないといけない。その洗練された知的感性を持つMatthew Herebertが、現代のお下劣モーツアルトと呼ばれるRichard D. Jamesと競演することなど想像できないけれど、多分お互い正反対の位置にいることは知ってるであろう、なんだか期待してしまいますよね。2人が、素敵な街角で、すれ違い、背を向けたままにやにやしている様子が。まるで麻薬や何かの売買のような身振りで。しかし現在のポピュラー音楽は、世界音楽である。同じくにであるということ自体さえ、もはや問題はない。すれ違うところは仮構化されたものでもなんでもない、現実の、素敵な街角なのである。で、本作。ゲストのチョイスが結構面白い。Jamie Lidell(参考1)、Arto Lindsay(参考1)、Mouse On MarsのJan St. Wernerなどなど。面白い交友関係ですね。Richardにはそんな華やかな友達なんていませんもんね。決して華やかではないか。音楽はとっても華やかなんですけどね。うっとりするような音色に、ねじれた感性が隠されていて、ころっとだまされてしまいそうです。本当はパラノイア的な方法論を愛するちょっと頭がおかしい人なんだけどね。明示的にやらない分たちがわるいのかもしれません。