The Capitol City Dusters : Rock Creek
ARTIST / The Capitol City Dusters
TITLE / Rock Creek
LABEL / dischord
DATE / 2002
TITLE / Rock Creek
LABEL / dischord
DATE / 2002
[39-71]。21世紀に入っても、自分たちの好きな音楽が捨てられず、そのなかでなんとか音を出し続ける。芽が出なくても、全然省みられなくても。それでもdischordから盤をリリースできたんだから、爪あとを残した、と申し上げたいし、少なくても日本に住む僕のところまで流れ流れてやってきました。そんな2nd。Jesse Quitslund(ベース)、Benjamin Azzara(ドラム)、Alec Bourgeois(ボーカル、ギター)という布陣。Azzaraさんは、touch & go系のバンドThe Delta 72の最初期に絡んでいた模様。Bourgeoisさんは、Severinなるバンドで90年代初頭にかけてdcを駆け抜けていました。イントロこそ無骨で質素でありながら筋の通ったdischord流、というかFugazi流のポスト・ハードコアを展開するのかと予感させましたが、その後はなんてことはない感傷的なメロコア崩れになっていきます。本作で沈黙したってのは、何かしらの理由があるもんです。これでは、更なる山を登れないです。だらっと聞き流す分には好きな音色を鳴らしているんですけどね。dischordの作品としては、プロデや録音などに、レーベル関係者が噛んでおらず、Severinから続く縁故リリースを疑わせます。2003年後に解散し、メンバーはそれぞれの道へ進むわけですが、そんなあとがきなんかはどうでも良いな。dischord的なものをいわゆるポップスとして成立させようとすると、単に崩れていくだけなのである。言い換えれば、dischord的なるものを求めず、21世紀におけるパンクの形態のワンオブゼムとしてとらえればよい。でも、この手の盤をもし聞きたいという女子がいるならば、僕はいとも簡単にSonic Youthをすすめてしまうだろう。そういうものだ。あまりにも無害。