DJ Genesis : The Definitive Collection
ARTIST / DJ Genesis
TITLE / The Definitive Collection
LABEL / submerge
DATE / 2007
TITLE / The Definitive Collection
LABEL / submerge
DATE / 2007
[40-71]。myspace。クラブを支配するのは男に限ったことではない。女だって、僕たちを躍らせてくれる。というか、この発想自体が、そもそも間違いなのだ。もちろん。しかし、著名な、あるいは商業的に売れているDJのほとんどが男であるという(僕が知る限りでの)事実は、決して偶然ではないだろう。クラブカルチャの時代に組み込まれた社会的装置があったに違いない。それでも、その装置は時代を経てようやく解消されようとしているのだろうか。踊りに来る人たち自体は、そもそも性別は関係なかったのだろう。盛り場である。男女がいないと成立しない。しかしフロアの支配者とはDJなのである(本当にそうか?知らん)。そこに女性が介在しないで、下界のセックスが女性本位になるとは到底思えないのだ。そして。DJ GenesisことMonica Lockettは19歳でキャリアをスタートさせ、アメリカのクラブにおける女性の地位をこじ開けようとしているのかもしれない。もちろん先人の数はたくさんいるだろうが、少なくとも本文においては、そのような事態を想定しておく。2001年にはDetroit Electronic Music Festにも呼ばれた。女性DJとしては珍しいことであるという。他にも彼女は、'Set It Off'なるアメリカで初めての女性DJたちによるツアーも成功させた。おして、submergeというデトロイトの暗がりにある地下帝国において、商業的な窓口を果たすレーベルからリリースされた本作は、彼女の地位を高らか、そして磐石に保証している。複雑なリズムを、破綻させることなくつむぎ合わせることから幕を開けるこのミックス集は、もちろん性別を超越したクラブ空間を演出している。最近のクラブでこのような音楽が本当にかかっているのかは、引きこもりの僕にはわからないけれど。精神をつややかにする、ソウルフルで、ディープな音の連なりは彼女が、舐められる舐められないの次元ではなく、ただの絶対的支配者として存在していることをあかしている。でだ。いつも分からなくなるんだけど、ミックス盤ってのは基本的には元ネタがあるわけだよな。でも本作のように、クレジットがなかったりするんだけど。その場合は全て自分のオリジナルってことになるのかな。それともミックス盤ってだけで、もはやひとつの作品性が強固に主張されることで、クレジットなどはただの蛇足になるのかな。どうなんでしょう? ま、かっけーから家で流しとけって。