Christopher Willits : Surf Boundaries
ARTIST / Christopher Willits
TITLE / Surf Boundaries
LABEL / ghostly international
DATE / 2006
TITLE / Surf Boundaries
LABEL / ghostly international
DATE / 2006
[33-71]。以前紹介した盤"Folding, And The Tea"。粒を繊細に並び立てることかけては21世紀の初頭で右にでるものはいなかった。新宿のタワレコでインストアイベントを見たことを思い出す。ギターを自分の手法によって新たな電子楽器に変換したかっこよいマッチョな兄ちゃんだった。で、僕たちもちょっとずつ12k界隈なんかも見過ごしがちになるわけですが、その間にもWillitsさんは世界のあほあほブラザーとコラボ盤を出すなど、精力的に名前を広げているのだと思う。そう信じているし、あとは、多くの君たちに任せているのだ。で、僕たちの視座からちょっとずつ消えていったときに、リリースされていた本作。レーベルは12kから離れ、School Of Seven Bellsなんかをようするghostly internationalに映った。アレほど繊細だった作風は、華美な見せ場を獲得し、あげるに十全なボーカルなんかも乗っけて、とても壮大な1枚になっている。その中に織り込まれているWillits独特の粒感もあいまって、とても綺麗な1枚である。さすが、という言葉がよく似合うように思う。ジャケットとの相性もしっくりきている。お似合いだ。ジャケが気に入るならば、本作の内容もじぇじぇじぇとくるだろう。ドラム、管楽器、弦楽器と、生音も各種取り込みながら、有機的電子というものを抜群に提示している。春は終わる。夏が来る。秋は飛ばされる。冬は眠る。そんな四季のなかで、その全てを彩るにたる音色を持っている。それこそ有機的電子の本領である。温かく、冷たい。あがるし、眠くなる。そんな曖昧なものたちをアウフハーベンしている。そんな出来だから、決してひるむことなく、誰でも気に入ると保証できる。どんな気分であっても、本作はその空気感をきちんと演出するだろう。カットケ。