The Residents : Petting Zoo
ARTIST / The Residents
TITLE / Petting Zoo
LABEL / east side digital
DATE / 2002
TITLE / Petting Zoo
LABEL / east side digital
DATE / 2002
[4-71]。過去盤レビュー。「ちょっといろんな音楽を聴いてるんだ俺」っていいたい年頃の到来を、誰もが感じたに違いない。そんなとき、Frank Zappa先生や、その他ジャンル音楽なんかがその要望にこたえてくれる。それにはまれば、その墓穴をゆっくりと掘り進めて行くことで、自分の永年のねぐらを確保するわけだ。で、そのときに、とりあえず食指を伸ばす候補のひとつとして君臨するのが、われらが目玉伯爵集団、The Residentsではないか。本作は彼らの30周年記念のベスト盤的なもの。日本盤は初回限定プレスで、950円だった。僕も痛い年頃だったので、「俺はThe ResidentsとFrank Zappaをこよなく愛している」と主張するために手ごろな本作に手を伸ばしたわけだ。で、Zappa先生には心酔したのはご存知のとおり。本作は日本盤なので、解説がついているので、参考までに彼らのすごさを引用しておく。The Residentsは「The Sex Pistolsが'God Save The Queen'を出す1年前、1976年に最初のパンクシングル'Satisfaciton'を出した」グループで、「ミュージック・ビデオのフォームを発明したとされる」。「初期のビデオ5作品は、ニューヨーク近代美術館のコレクションとして永久保存されている」。「1993年、The Residentsはディスカバリー・チャンネルのネイチャー・ショー"Hunters"のために10時間分の音楽を作曲した」などなど。とにかく異様な煽りが並んでいる。The Residentsは60年代末に結成されたらしく、現在はSan Franciscoを拠点に活動しているんだって。その活動の不可解さや、前衛的なアプローチによって、一般的にはほとんど認知されていないでしょうが、好きな人は好きという類。本作が出た当時で30枚以上のアルバムをリリースしている多作家であるが、メンバーの素性なんかはよくわからず、パフォーマンスも、いかがわしい趣味を匂わせるコスチューム・プレイによって、観者に予見をはさむことを許さない。そういう意味では、かなりたくみにプロデュースされた息の長い集団である。で、作風であるが、個人的には魅力を感じない、ってのが正直なところである。1974年の"Meet The Residents"から2002年の"Demons Dance Alone"までのアルバムのなかから、数枚ピックアップして、さらにその中から最大2曲収録しているが、チープな印象が、そのまま悪魔礼賛的な雰囲気を保ったまま、ややインダストリアルに響いた不可解な歌モノへと微妙な変化を遂げている以外は、一貫している。ま、音楽を楽しむというよりも、額縁の外に付されるキャプションを読むように楽しむのが正しいのだと思う。だから、The Residentsの皆さん、これからも、逸話を振りまきながら、燃え尽きてください。初期の有名どころを1、2枚押さえておけばよいというのが個人的な感想です。僕は、当面押さえる予定はないですが。