Joe Henderson : Page One
ARTIST / Joe Henderson
TITLE / Page One
LABEL / blue note
DATE / 1963
TITLE / Page One
LABEL / blue note
DATE / 1963
2089。Kenny Dorham(トランペット)、McCoy Tyner(ピアノ)、Butch Warren(ベース)、Pete La Roca(ドラム)、そして彼らを率いるのが初めてリーダーをつとめるJoe Henderson(テナートランペット)。甘くもなく、だるくもなくそれでいて、ダンディな定番曲M1'Blue Bossa'、そしてラグジュアリティにあふれるだだ甘のM2はKenny Dorhamによるもの。そして残りはJoe Hendersonが手がけた。Dorhmさんが30代後半であったのに対し、とうじ残りの4人はすべてU25というから、僕たちの時代がいかに成熟しきったために怠惰になっているかが分かる。若手作が、すべに高尚なもののなかに溶け込んでしまっているという現状である。きびきびと始まるわけではない本作はM3にきてしゃきっと背筋を但し、走りだす。起伏をつけて、聴かせようとする気概が感じられる。HendersonによるM4"Recorda Me"もスタンダードナンバーらしいキャッチーさを持っている。しかし旋律は一筋縄ではいかないはね方を見せる。多分どこかで刷り込まれているだろうに、まるで聴いたことがないような新鮮な気持ちを与えてくれる。そんな工夫である。ここでもボサノバ調子がただのダンディさだけではない軽快な南国気分を与えてくれるような気がする。リズムパートが愚直なまでにその気分を固定化しにかかる。John Coltraneを引き継ぐため、あるいは更新するため、その使命は計り知れなかったであろう若手のHendersonは、その気負いなく見事に現在まで評価される1枚をいきなりで提出したわけだ。素晴らしい才能であったことだろう。日本では一般的にやや知名度が低い(かくゆう僕も知らなかった)プレイヤーだが、好きな人は、抜群にほれている人みたいなので、どうそ皆さんも本作からアプローチしてみてください。