Brad Mehldau Trio : House On Hill
ARTIST / Brad Mehldau Trio
TITLE / House On Hill
LABEL / nonsuch
DATE / 2006
TITLE / House On Hill
LABEL / nonsuch
DATE / 2006
2093。 Larry Grenadier(ベース)、Jorge Rossy(ドラム)、そしてBrad Mehldau(ピアノ)。2002年録音。Radioheadの名曲'Everything In Its Right Place'などを含むカバー集"Anything Goes"と同時につくられたんだとか。それでこちらにはBrad Meldauのオリジナルを詰め込んだという。現代においてジャズを問うときに、もはやただの旋律やモードなどの手法だけでは到底やっていけないのだろうという想像のなかで、Brad Mehldauは、何かを瓦解させるように自分のブシをひねり出している。リズムは、心地よく変則化し、それでいてメロウ。きわめてシンプルで、お洒落で、しかしインテリジェンスを感じる。しかし、Brad Mehldauは、その確立した個人としてのプレイにより、どこまでもBrad Mehldauで、いくつか過去の巨匠とよばれるプレイヤーの盤を聴いてくると、ジャズ特有のチーム感があるかというと少し違う。作家Mehldauは余すところ泣く、永遠に続くかのように流されるフレージングによってその作家性は強調されるが、リズム隊はどこまでもリズム隊である。もちろんトリオという性質がそのような結成を前提としているともいえるが。しかもリズムの気持ちよいフックでさえ、もはやMehldauになると自分で低音で演出してしまっているという。現代ポップスのロックバンドにおけるスター性とでも言おうか。もちろん、それを踏まえたうえでのチーム感というのは抜群で、その存在を隠している。もちろんM3の一部でちょっとGrenadierが前景化されることもあるが。 作曲する上で、理論家としても思慮深いMehldauがジャズ特有(なのかはしらんが)のインプロによるフレージングの点で、愛するのはThelonious Monk。われわれはもっと、振り返って考えなければならないんだ。なんかレビューとかあさってると、Brad Mehldauは腕に刺青をちらつかせながら、くわえ煙草でライブをするという。見てえー。現代において、とても良い盤です。是非、一般的にいうポップス中毒者に聞いて欲しい。