Bobby Hutcherson : Happenings
ARTIST / Bobby Hutcherson
TITLE / Happenings
LABEL / blue note
DATE / 1967
TITLE / Happenings
LABEL / blue note
DATE / 1967
2104。ジャズ名盤探訪、というかblue note廉価盤探訪みたいになってきたけど。blue noteってちょっと親父臭いというイメージあったけど、やっぱりおされさんですよねっていう確認を続けているわけ。Bob Cranshaw(ベース)、Joe Chambers(ドラム)、Herbie Hancock(ピアノ)、Bobby Hutcherson(ヴィブラフォン、マリンバ)という布陣。Hutchersonがほとんど作曲。唯一M4だけ、Hancockによる有名な'Maiden Voyage'。いわゆる「処女航海」。本家のテイクよりも先鋭化されて評価されているとかなんとか。時代は、ハード・バップが拡散し、再分化され始めた時期です。さて、ヴィブラフォンってのは、Tortoiseでも多様されるので、なんともなじみのある響きであるとともに、クールといわれながらも固さのない暖色で好きなわけです。大学時代にGary BurtonとChick Coreaによる" Crystal Silence " を知人に聴かせてもらい、感銘を受けたことが思い出される。HutchaersonといえばGrant Greenの"Idle Moments"やElic Dolphyの"Out To Lunch"といった名盤にも参加。このときまだ26歳ぐらいである。この時期のジャズ界ってのは本当に有能な若者たちがぐちゃぐちゃになっていたことがわかります。本作ではHancockのピアノとも愛称がよく、ころころとした愛らしい演奏で、かなり開かれているように感じる。じっと待っていると、ラスト'The Omen'ではフリーな風が吹き始める。それまでのメロウで、心地よいものとは違い、悪魔的な手法で、たたき荒れるHutchersonが現れる。それでもころころとしているところにヴァイブの愛らしい側面を感じるとともに、きりりと息をつかせぬ時代への突入を物語っている。