Venetian Snares : Doll Doll Doll
ARTIST / Venetian Snares
TITLE / Doll Doll Doll
LABEL / hymen
DATE / 2001
TITLE / Doll Doll Doll
LABEL / hymen
DATE / 2001
2018。以前紹介した盤"Winter In The Belly Of A Snake"。ブレイクコアの真髄、Aaron Funkによる何枚目かわからない1枚。planet-muからリリースラッシュを始めるのが2001年だから、本作もその中に紛れ込んだ。ant-zenのサブレーベルであり、IDM狂いの僕に盤屋で何度も手にとられながらもスルーされているhymenから出された本作は、ジャケがなかなか気持ち悪くて、正直レジに持っていくのがためらわれるレベルである。もっと自己演出すればいいのにと思うが、これがAaron Funkの自己演出なのか、と思わないでもない節もある。疾走するビートは精神分裂しているかのよごろく、ぶった切られながら進み続ける。この頃はメロディックにわれわれに訴求しようというよりも、とにかく頭を振ること。ネジをゆるゆると溶かしていくこと。子どもの死にこだわること。くずなテーマだぜ。サンプリングは多岐にわたる。Metallica、Philip Glass、そして重里が「再発表」なる言葉でシリーズの新作(か焼き直し)をほのめかしたビデオゲーム『マザー2』まで。映画音楽から、モチーフに沿ったり沿わなかったり、ジャズったり足らなかったり。はっちゃけた、子どもっぽい音楽性からは汲み取れない音楽的素養と、広がりにわれわれはこの人物の深遠に概念的にアプローチするわけだ。そうでなければ。かっこいい表現者とは、稚気の裏に隠した圧倒的な裏づけである。それを知識と呼ぶかどうかは、任せた。