Pagoda : S/T
ARTIST /Pagoda
TITLE / S/T
LABEL / ecstatic peace!
DATE / 2007
TITLE / S/T
LABEL / ecstatic peace!
DATE / 2007
2020。誰やねん紹介。Thurstonの物好きが取り上げなければ永遠に地下で這いずり回っているだろうバンド。Michael Pitt(ギター、ボーカル)、Ryan Donowho(ドラム)、Jamie Kallend(ベース)、Indigo Ruth Davis(チェロ)。その他特筆することはない。いまだにグランジの力を信じているNirvana崩れのようなバンドである。その他特筆することは、本当にない。なぜバンド名が仏塔を意味するのか、それを言い当てられる人間もいないだろう。悩むことはない。買って聴いてみればいい。先人たちの積み上げたものの上にたつことでかろうじて立ち上がっている彼らの音を確認すればいい。80年代、あるいは90年代初頭に発表されていれば、あるいは、時代を駆け抜けたかもしれない。そんなことをいえば、現在の多くの人々が、そのような輪廻のなかでもがき苦しんでいる。あるいは快楽を得ているんだ。言い出したらきりがないではないか。閑話休題。といいつつ、実は、このバンドはそんなチンポなわっかに回収されない別の物語に属している。Maichael Pittは多少なりともB級映画好きならご存知の、俳優である。彼が Gus Van Santの映画"Last Days"で主演したモデルは、もちろんKurt Cobainである。その映画で、音楽のアドバイザーを務めたのが、Thurtonである。あとは、もうわかるよな。そういうことだ。Thurstonが演習する壮大な稚気、それにしては、完成度の高いNirvana崩れの音楽、その両方を楽しみたい人間に、まったくもって美しく開かれているのが、このPagodaのデビューアルバムなのである。