Coil : Orange & Blue
ARTIST / Coil
TITLE / Orange & Blue
LABEL / テイチク
DATE / 2000
TITLE / Orange & Blue
LABEL / テイチク
DATE / 2000
1878。過去盤レビュー。1stの宅録なゆるさを研磨し、ギターをかき鳴らすロッキンな力を獲得した2nd。この盤の影響か何か知らないが、オレンジとブルーは、結構好きな色であるという。ギターで一気に行くと思ったら名曲M6「夏の思い出」のように、自分たちの日常世界を忘れない。イエーという言葉をこれほどかっこよく吐けるミュージシャンを僕は知らない。「もしも 声が届くなら 答えて」。そんな気持ちを僕たちは忘れたこおとがない。M8の「ゆめおち」もよい。「どうしてこんなに悲しくなるの あふれる涙をどうすればいいの あなたをこの手で抱きしめたいの」。こんな陳腐ともなりうる言葉が、胸を打つのは、言葉が浮遊するものではなく、岡本さんの声を伴っているからなのだろう。M9「追放と楽園」は、日常から離脱し、聖書世界へと没入する。中二くさいその展開がぼくを締め付ける。「受け入れる愛 包み込む愛」。この思想こそが、なんとも、涙を誘うんです。言葉に魂がある。ラストのM12「Whitie Room」は渾身のでき。「ああなんて暖かなお茶だろう」。その日常の感嘆に。「終わってしまうこと 始まろうとしてること」。それが全てで。「泣いたりしないから 僕を見ていておくれ」。そう。「なんて穏やかな場所だろう」。「君がいる 今でも君がいる 君といる 確かに君といる 君は行く もうすぐ君は行く 僕も行く どこかへ僕も行く」。もう涙しか出ない。今聴くと。なんというよ良い詞なんだろう。名曲を書きすぎてる。書きすぎてもうインポになってるんじゃないかお二人さん。さて、本作の白眉はM3「BIRDS」である。岡本派ですがこの曲を作ったのは佐藤さん。シングルカットもされて、Lサイドは家族の系譜の下で本作をめでたという(正確にはカップリング曲だが)。大仰にいえば、日本が誇る最高峰のシングル曲だろう。20世紀を締めくくる名曲ともいえる。「有終の美を飾る 人生が僕を待っている」「有終の美を飾る 運命が君を待っている」。泣ける。名盤。(You Yubeで"2011 ROPELAND session ver."を是非聴きましょう)