Wilco : The Whole Love
ARTIST / Wilco
TITLE /The Whole Love
LABEL / anti-
DATE / 2011
TITLE /The Whole Love
LABEL / anti-
DATE / 2011
1818。以前紹介した盤"Sky Blue Sky"。スタジオ盤としては8thくらい。最近のWilcoはどうも大きな物語をタイトルに付与したがる気がしてしょうがない。常に、名盤を作ろうという気概に満ちているともいえる。昔の彼らを多少なりとも知っているだけに、もはや完全にメインストリームの体格を備えていることに、いつも戸惑いと驚きと、心強さと。グラミーのほうから頭を下げてしまう始末である。本作のメンバは、Glenn Kotche(ドラム)、Jeff Tweedy(ボーカル、ギター)、John Stirratt(ベース、ボーカル)、Mikael Jorgensen(鍵盤、シンセ)、Nels Cline(ギター)、Patrick Sansone(マルチ)という布陣。入れ替えが激しかったWilcoもだいぶ安定しており、その結束力が本作のバンド・アンサンブルの原動力ともいえるだろうか。バンドをしている。各楽器がしっかりと鳴っている。雪崩れない意識が、端々までうかがえる。Tweedyのボーカルと、旋律の癖は変わらないから、Wilcoらしさなる虚構は保存されながら。陽気で。古くからのファンは、ラストでしっかりと彼らの芯の黒檀ぶりに安心するんじゃないだろうか。僕たちは、何も、冷静と情熱のあいだに、たむろしているわけではなく、まさにその只中で死ぬことだけを考えているわけだから、過去、現在、未来という胎児にでも分かる時間軸を今以上に明察する必要はない。ラストで見せる、音響化された過去は、僕たちをいっそう死にたがるようにするのか、はたまた第三局として、生への渇望ととらえ返すのか。どうしようもないけど、どうしようもないんだ。
