Shellac : Excellent Italian Greyhound
ARTIST / Shellac
TITLE / Excellent Italian Greyhound
LABEL / touch & go
DATE / 2007
TITLE / Excellent Italian Greyhound
LABEL / touch & go
DATE / 2007
1654。myspace。以前紹介した盤"At Action Park"。Lサイドによるレビューはこちら。一応流通している公式フル盤としては4枚目にあたると思われる。1曲目からその身振りは絶好調で、もはや何の迷いもない。宇宙のかなたから見据えれば単調な曲で合っても、通常のリスニング空間において、そのカロリーは人を一瞬にして太らせるだろう。いや、すぐさま消費される熱さはある。それを体現しているのは、この手の音楽をやるには決して若くはない凶暴な3人の身振りなのだ。Robert Weston(ベース)とSteve Albini(ギター)とTodd Trainer(ドラム)。それぞれが多忙の中、まるで少し下界の人間をいたぶってやろうか、という気さくな戯れによって神々は作品を作る。何の気負いもなく、常に予想を裏切ることもなく、自分たちの最良をはじき出す。われわれは期待をしていない。たとえば、次の盤がリリースされるなどということは気にも留めない。なぜならばそれは、ふとしたときにもたらされる幸福な瞬きだからである。期待しない、というのは不遜かもしれない。期待することなど、恐れ多いのだ。われわれは気まぐれの恩恵にありつけるだけで、人生に感謝しなければならない。2010年を向かえ、われわれはかつての偉人たちの遊び場であるアビーロードスタジオが転売されるというニュースを聞いた(現在は撤回?)。実はAlbini先生も、この遊び場が大好きな用でこれまではもちろんのこと、本作もそこで録音されている。あのニュースをAlbini先生はどのような気持ちで聞いたのか。たぶん、関係ないな、とファッキンな表情を見せただろう。関係ないな、その姿勢は刻々と変化するシーンの動向にささくれ立って抵抗しているように感じる本作でも十分感じ取れる。シンプルに激しく。シンプルは激しい。