V.A : Reich: Remixed 2006

ARTIST / V.A
TITLE / Reich: Remixed 2006
LABEL / nonsuch
DATE / 2006

1601。舐めないでいただきたい。僕はこのブログを始める前に、すでにReichの10枚入りボックスを購入し、大いに聞き込んでいるのだ。とか言ってみる。Reichは本当に偉大だから、「ミニマル」という言葉に対する僕の過敏な意識は彼が僕に植え付けたNGワードだといってもいいかもしれない。何を言っているのだ。さて本作はそんな偉大なる生きる伝説Steve Rreichの有名な3曲に現在の先進的音楽家3名がリミックスを施した作品集です。1曲目はFour Tetが'Drumming'をリミックス。きわめて金属的できらびやかな音を混ぜ込んで、原曲を装飾過多という単色へと仕上げている腕前はさすが。2曲目はグラスゴー出身のAlex Smokeかたによる'Proverb'のリミックス。入りは穏やかで心配になるが、中盤から肌理のよいグリッチ音が混ざりこみ、原曲を電子的に釘打つ。電子と有機的音源の邂逅がバランスよく達成され、まずまず評価できる。グラスゴーという電子界隈ではローカルなシーンに属しているから、僕はあまり知らないけれども、有能な存在なのでしょう。3曲目はRuoho Ruotsiという人による'Music For 18 Musicians'のリミックス。比類なき構成が所与のものとしてあるから、なかなかいじりにくかろうと予想。ダブっぽい処理がなされていて、なかなか激しい再構築がなされているように感じる。原曲が偉大すぎるので、相対的に凡庸化するのは仕方がないけど、Reichという背景がなければ、おそらく有能な作家なんだろうと予想。で、4曲目は'Come Out'のオリジナルがボートラ的に収録されている。正直、これがボートラだと圧倒的に失敗だなと思いながら、なかなかの手練たちによる競演にまずまずの好感を持ちましたとさ。