池上正 / 井上淳 / 安藤浩和 : Kirby Ultra Super Deluxe Original Sound Track
ARTIST / 池上正 / 井上淳 / 安藤浩和
TITLE / Kirby Ultra Super Deluxe Original Sound Track
LABEL /HAL Laboratory / Nintendo
DATE / 2009
TITLE / Kirby Ultra Super Deluxe Original Sound Track
LABEL /HAL Laboratory / Nintendo
DATE / 2009
1606。非売品。クラブニンテンドーにてポイント交換により入手できます。本当は何とかポイント貯めて交換しようと思ったんですが、それほど魅力的なソフトがあるわけでもないので、結局オークションで買いました。知識不足なので、不確かですが、カービィシリーズのなかで盤としてリリースされたのは初めてではないでしょうか。いや知りませんよ。DSのゲーム内容としては、SFCのソフト『星のカービィ スーパーデラックス』のリメイクということらしい。まあゲームはどうせよくできてるだろうから、いいでしょう。さて、盤としての本作は、残念ながら書誌データがほとんど付されていないために、どの曲を誰が作ったのかわからず、少々不満があります。たとえ共同作業としてもねえ。ここにスクエ二との決定的な差異がある。<作家>としてのゲーム音楽家への敬意が足りないとでも言いますか。まあ、良し悪しもあるけどね。全36曲であり、ラスト3曲がボートラで、それらは編曲者がはっきりと明記されています。M34の「ステージメドレー/アコースティックver.」は池上正、M35の「ボスバトルメドレー/エレクトロニックver.」は石川淳、そしてM36の「銀河にねがぎを:スタッフロール/オーケストラver.」は安藤浩和によるもの。一応カービィといえば初代からの石川さんを主軸に、安藤さんも池上さんも絡んでいるそうです。ゲーム音楽を考える上で興味深いのは簡単な解説でなされている安藤さんの発言である。以下引用すると、「「打ち込み」のオーケストラ曲では、「打ち込みならではの要素」をまず考え、本物を目指さないように作ることにしています。でないと本物に勝てるわけがありませんから」。そして安藤さんは彼が手がけたメドレーM36から「ニセモノならではの良さ」を感じ取るようわれわれに要請する。「ニセモノ」とはなかなかネガティブな言葉であるが、しかしそこにゲーム音楽の本質があるというのは僕も共通して持つ見解です。もっといえば、何かをすでにある音色やらを模倣する必要さえないと個人的には思っています。まあ模倣により、方向性が出るのはたしかなんですが。何度もいうように、ゲーム音楽とは、制限された状況のなかで制作するというきわめて不透明なメディアに枠ズけられた音楽(だったはず)なのであり、そこに僕なんかは興奮してしまうわけです。本作もDSという機種の限界に適度に枠付けられたよさがあります。構成能力が星々のようにきらめいている。素晴らしい演出機能を持ちながら、それ自体音楽として成立する、という曖昧な言い方で許されるならば、本作にはまさにそれがあると思います。まあダサい部分も多々ありますけど、それはご愛嬌ということで。特にメドレーは、なかなか閉口してしまうかもしれない。