Dinosaur Jr. : You're Living All Over Me
ARTIST / Dinosaur Jr.
TITLE / You're Living All Over Me
LABEL / sst records
DATE / 1987
TITLE / You're Living All Over Me
LABEL / sst records
DATE / 1987
1579。myspace。以前紹介した盤"Bug"。で、ようやく傑作といわれる2nd。たしかに評判は聞いていたけれども、これは、すごい、ですね。ロマンティックなカロリーが肉汁然としてあふれ出している。アイディアもある。音もしっかりと90年代を準備している。善玉な過があったとしても、不足がまったくない。Lou Barlow(ベース、ボーカル)、Murph(ドラム)、J Mascis (ギター、ボーカル)という3人を機軸とし、回らないものは何もないということを明かしている。結局のところ、ポップな歪み、ポップなノイズという源泉はすでにDinosaur Jr.において見事に体現されていたということなんでしょう。Nirvanaを待つまでもなかった。そしてM1ではLee Ranaldoがバックボーカルで参加しており、またM1-M4とM10のエンジニアをWharton Tiersが担当していることもあわせて、Sonic Youthとのブラザーフッドを垣間見せてくれる。明らかにSonic YouthよりもDinosaur Jr.のほうが聴き安いし、メロディアスな旋律性も兼ね備えているにも関わらず、Sonic Youthのほうが長期的に愛されているというのはなぜかしら。思うに、メジャーへの迎合が嫌われたか、純粋に革新性が揺らいだか、オリジナリティが拡散したか、などなどの理由によるのだろう。2007年にでた新譜もあんまり評判を聞かないしね。となるとsst時代が結局のところ彼らの頂点になるのかもしれません。決してインディー至上主義ということではないくて。オリメン再結成記念の2005年に行われたオリジナル3部作リイシューに際して、本作収録のM10が削られてしまいました。イギリスのPeter Framptonのカバーらしいのですが、権利関係かなんかに抵触したようですね。総評としましては、個人的に"Bug"のほうが驚きがあったのですが、もしかしたらこちらのほうを先に聴いていたら変わっていたかも知れません。その予断を排除するならば、全体として"Bug"のほうが曲も良いし、まとまりもあったように思います。とはいえ、名盤認定委員会は常に民意を大切にするので、本作も名盤としてよいのではないでしょうか。歴史的意義もありますしね。素晴らしいです。