Pinback : Autumn Of The Seraphs
ARTIST /Pinback
TITLE / Autumn Of The Seraphs
LABEL /touch & go
DATE / 2007
TITLE / Autumn Of The Seraphs
LABEL /touch & go
DATE / 2007
1548。以前紹介した盤"S/T"。多分4th。2枚ジャケを並べていますが、前者が直接のプロダクトで後者は発売時についていたボーナスEPです。もしかしたら今では単独で正式にリリースされているかもしれません。いわゆる初回限定のおまけなんでしょう。本来ならば去年のうちにレビューしておくべき盤であったのですが、2008年も終わろうとしている頃に今更感漂うレビューを書いています。名盤です。去年試聴して、イントロの10秒で聴くのやめた盤です。僕の悪い癖でいいと思うと途中でやめちゃうんですね。その辺がマスターベーションとは違うところですね。M2のイントロとか、もうねhmvのレビューによれば、Armistead Burwell Smith IVは本作を最高傑作としているようです。まあどの音楽家にとっても新作が最高傑作だとしてマーケットの訴求力を高めているわけですけれども、本作はPinback独特の構造が類に希な境地に達しているというのは事実でしょう。あるいはマイサウンドでのRob Crowへのインタビューなんかを読むと、10年というキャリアが長い練習期間であったことが語られている。なるほど。左右でうごめく独特のギターのカッティングが辛抱たまらんわけであります。穏やかで音数が少ない曲も多いですが、細部への配慮がしっかりなされていいるために全体としてしっかりとした厚みがあります。見事、というべきなのでしょう。ある種現在のインディー・ロックの理想系であり、多くの若手バンドが目指すべき位置にいるといってもいいであろうPinbackですけれども、やっぱりいつかはメジャーにあがるのでしょうか。最近は90年代初頭ほどそのような機会もへったであろうし、これほどポップス性を備えたPinbackにしても、あまりにも構築しすぎているために少なくともソング・フォ・カラオケにはなっていないのかもしれない。彼らの望みもどこにあるのか分からないですし。いずれにせよ、われわれはPinbackが現役であるという時代に生きているということは、ひとつ重要なことだと思います。多分いつかそのように言われるでしょう。だから今のうちに皆さんにはぜひとも本作を聴いておいてもらいたいのです。本年度一、二を争う推奨盤です。