Gaunt : Kryptonite
ARTIST / Gaunt
TITLE / Kryptonite
LABEL / thrill jockey
DATE / 1996
TITLE / Kryptonite
LABEL / thrill jockey
DATE / 1996
1506。myspace。Jerry Wickという人を中心とするバンド。thrill jockeyのまったき初期に属している。thrill jockeyがいまいちレーベルとしてぱっとしないのは、ある種同郷ブラザーフッド魂といいますか、仲間内感覚がきわめて高いからといえます。Tortoise周辺を抱えるレーベルであるのは言うまでもないのですが、レーベル初期において(あるいは今でもそうかもしれない)決してそのようなインテリ亜種一辺倒ではない多様性がありました。それゆえ、意外にもレーベル買いをする僕の信用は結構裏切られてきたわけです。本作にしても、このフォントはIsotope 217のジャケでも見たぞい、と思いながらそこらへんを想像して買うと全然違う音に遭遇することになります。少し粗野でメロコアなロックバンドという感じでしょうか。ボーカルにコーラス、BPMもはやめ、ギターフレーズは軽快に容易な旋律を与えています。そのなかで例えばM7のようにきわめて抑揚を抑えたナンバーをはさんでくるあたりは好感が持てます。これはBlur的です。M9でも要所で抜きを見せる。しかしGauntは決してFugaziになろうとはしない。繊細に攻めようと思えばできるようにも思う。そこにおもしろさを見出せないためにわざとしないのか、それともやっぱりメロディックな耽溺を楽しみたいのか、計算なのか天然なのか、そのはざまで00年代以後のリスナーは困惑すると思います。もしかしたら、を大いにはらんだバンドとしておもしろいと思いましたが、やはり趣味の壁というものもありますので、なかなか通しで聴くのは個人的にしんどい。本作がthrill jockeyからのラストであり、その後キャリアをどのように展開しているのか分かりませんが、あまり表立っている感じはしませんね。