Cut Chemist : The Audience's Listening
ARTIST / Cut Chemist
TITLE / The Audience's Listening
LABEL /waner bros. records
DATE / 2006
TITLE / The Audience's Listening
LABEL /waner bros. records
DATE / 2006
1518。myspace。Lサイドにレビューあった気がしたけど勘違いか。2006年に残念ながらJurassic 5(参考123)を離脱したわけですけれども、今後は1人のターンテーブリストとしてDJ Shadowのような活動が期待されます。もちろんリミックスの仕事などもこなしていくことでしょう。本作は離脱してすぐのリリースなので、結構話題になっていたと思います。というか別に仲たがいしたわけではなく、このソロ作に集中するために抜けたということらしい。最新作に彼の名前がなかったのは、トラックが採用されなかったからだとか。まあCut Chemistはよくてもグループの中には何かしらネガティブな感情があるのかもしれません。ヒップホップとは形式なのか、それとも態度なのか。そんなことを考えたり考えなかったりします。実はまったく考えてないです。このような問いがどうしても頭にちらつくのは僕がどうしようもないモダニストだからなんですが、そもそも音楽ではモダニストは拒絶されますから。リズムの構築というかトラック生成の基盤としてのブレイクビーツがヒップホップの背景ですから、本作はヒップホップの棚におさまるのでしょう。収集メディアは違いますし、それの活用の仕方は100パー違うのですが、ヴァイナル狂いのDJというのはなんとなく気持が分かると気がしても実はまったく違うんですね。彼らはいわゆるポストモダニストですから。適当いってますけど。音を既存のヴァイナルから抽出し、それをprotoolsにぶっこんでカット&ペーストを繰り返す。それが現代の化学者の仕事な分けです。大変な仕事ですよ。そこには法的な問題も重圧としてのしかかるわけですからさらに現代的な存在になる。しかしCut Chemistが目指すのは小難しい現代思想の戯れからすり抜け大きな物語を獲得した「ポピュラー・ミュージック」なわけです。そこに共感が持てますね。ただ、僕としては変な色気を出さずに一目散にJurassic 5に戻って欲しいですが。それはほかならぬ自分自身のために。止揚されているトラックは曲ごとにインサートに書かれているようなので確認してください。Guru Guruの曲とかあるみたいです。