Greg Davis : Mort Aux Vaches
ARTIST / Greg Davis
TITLE / Mort Aux Vaches
LABEL / staalplaat
DATE / 2003
TITLE / Mort Aux Vaches
LABEL / staalplaat
DATE / 2003
1480。久しぶりのGreg Davisであるし、久しぶりのMort Aux Vachesシリーズでもある。600枚限定
。carpark時代に傑作1stの後おなじみのオランダ国営放送のVPROスタジオで録音されました。われわれにとってはかなり思いいれのある作家なんですが、最近では電子ジャンル自体から遠ざかっているし、シーン自体も多様性をましてくるなかで、完全に名前を樹立した存在でないと新譜が大きく取り上げられなくなってしまったのですね。Greg Davisにはその資格があると思えるのですが。今でも「エレクトロニカってジャンルのCD適当に貸してよー」といわれた時、手近な名盤を見繕うわけですけどこの人の1stは必ず頭をよぎります。音が丁寧なんですよね。しかしどうもノイジーな方向にも最近は手を出しているようですね。Jeph JermanやKeith Fullerton Whitmanなどと活発にコラボ盤をリリースしています。実験的な方向へと、つまりわれわれには理解できない方面へとシフトしているのかもしれません。そうなるとどうしてもポピュラー音楽として拡大していきませんからね。一応初期盤にあたる本作でもその傾向は見られます。600枚はければいいわけですから好き勝手やってるのかもしれませんが、本作ではフィールドレコーディングが基盤となっています。M1からありがちな鳥のさえずりが入ってる。調べてみるとスタジオの前にあるホテルからスタジオまでの道すがらの音を採集し、それに彼一流の音を足してるという次第です。その音の質がやっぱりめちゃくちゃつやっつやしてすごいなぁと思うわけです。ここまで音響的に注意を払ってる作家って実はそんなにいないんですよ。まあただわれわれの耳にフィットするだけなのかもしれませんが。ときに混入される叙情性にニヤニヤしながらも、もっとGreg Davisを全面に押し出すかたちで僕のところに情報を回してクレーと思う2008年の初秋なのです。このシリーズにも関わらず聴かせてくれます。当然ですね、なんたってGreg Davisなんだぜ。ええなーええなーと思いながらふわーと聴いてたらM12の'At My Window'で腰抜かすこと必死。Greg Davisもまた手法は大きく異なれど、偉大なる魂を継ぐ使者なのです。やばい、ニヤニヤがとまらん。