Will Oldham - Guarapero (Lost Blues 2)
ARTIST / Will Oldham
TITLE / Guarapero (Lost Blues 2)
LABEL / drag city
DATE / 2000
TITLE / Guarapero (Lost Blues 2)
LABEL / drag city
DATE / 2000
1445。myspace。drag cityの要人のひとり、カントリ/フォークサイドを担う男です。本作は副題に2が付けられていることからもわかるように、本作以前Palace名義でリリースした"Lost Blues And Other Songs"に続く編集盤なわけです。未発表曲やPeel sessionなどライブ音源も含むベストみたいなものと考えてよいでしょう。録音は兄弟のPaulとともにもちろんAlbini先生が行っています。シカゴ界隈ネットワークも優れているのはご存知の通りで、Oldham兄弟たちやpalace music陣営はもちろんのこと、Dirty Threeの Jim WhiteとMick Turner、いわずと知れたdrag cityの要人David Grubbs、元SlintのDavid PajoとTodd Brashear。といっても、Will Oldhamの場合、たいてい弾き語りギターが前面に出て、歌で聴かせるスタイルなわけですから(未発表曲のM10M11は異色)、バックにそれほど重点が置かれるわけではありません。それよりも、やはりAlbini先生がいかにWillのボーカルをロウなままで採取しているかというところに注目が集まります。それにしても枯れたボーカルです。これで上昇するかのごとく歌い上げられた日にゃ心の空隙がしゅわっしゅわします。ひゅーひゅーします。まさにアメリカーナの伝統を引き受けてそれをあるレベルで止揚しつつ、大切に伝達思考という感情の塊を感じることができる。O'Rourkeのように現在形へと革新させようとする方法はとらないのである。本作を聴いたすべての人が、そこから一種の安寧を獲得すること。それはアメリカのすべてが賭されるに値する事態なのだ。いい盤でないわけがない。