Multiphonic Ensemble : Cirque
ARTIST / Multiphonic Ensemble
TITLE / Cirque
LABEL / sub rosa
DATE / 1999
TITLE / Cirque
LABEL / sub rosa
DATE / 1999
1444。以前レビューした盤"King of May"いまや日本を代表する電子作家の1人半野喜弘さんによる名義です。それほど電子に興味がない人も知ってる名前という意味で。一応レーベルのカタ番などはsub rosaのものですけれども、盤面にはquatermassの名が刻まれており、この頃からquatermassが表面に出てきったことが伺えます。 また本作のタイトルはその後、レーベル名として展開することになるのはご存知の通りです。先の盤は暗黒ドラムンだった印象がつよいですけれども、本作からはそのような気配はほとんど感じません。かなり後退しています。代わって、より多種触手的に電子の身振りを試す方法がとられているように感じます。M9などに見られるように、ドラムン手法はかなり洗練が増しているよう思います。しかし他の方法論の模索が絡んでくると、試行錯誤しているように音がちらついているのではないでしょうか。ここからさらに洗練が進むと、現在の半野さんにみられるよな電子を有機的に使用することさえ自在に操っていく境地に達するわけです。誰にでも模索する時期があるということがわかるのはほほえましいことではないでしょうか。にしても本当になんかいろいろ音をだしてみましたよ、という見本市作品で、個人的には本作がそれほど有効に響くとは思いません。