Slapp Happy / Henry Cow : Desperate Straights
ARTIST / Slapp Happy / Henry Cow
TITLE / Desperate Straights
LABEL / virgin / Megacorp
DATE / 1975/2004
TITLE / Desperate Straights
LABEL / virgin / Megacorp
DATE / 1975/2004
1432。Henry Cow関連盤を年代順に紹介することにしています。よって、2ndから3rdの間に製作された本作を先に取り上げましょう。本作はSlapp Happyが中心となって製作されていることから、Henry Cowの音楽性が前面には出ていないかも知れませんが重要な1枚です。ここでSlapp Happyに関する個人的な思い出を。高校生だった僕はとにかく雑誌から情報を収集していました。で、そのなかに綺麗なジャケの"Sort Of"を見つけたわけです。これは良さそうだ買おう。とタワーを探しまわりましたが当の盤は見つかりませんでした。代わりに棚に唯一残されていた"Casablanca Moon / Desperate Straights"という2in1の盤を買ったわけです。それが当時の僕には気に食わなかった。歌がだめだった。そして本作は紛れもなくその2in1の半翼なわけですね。両バンドの出会いの中心にはFaustがいます。1973年に行われたHenry CowとFaustとのイギリス国内ツアーにFaust側のツアーメンバとして参加していたのがSlapp HappyのPeter Blegvadでした。予断ですが、まもなくFaustが日本にやってきますね。みなさん粛々と参加しましょう。それはさておき、その後Slapp Happyはvirginと契約、Henry Cowとレーベルメイトとなりました。Henry Cowの前衛思想はThis Heatのプロデをしたことでも知られるAnthony Mooreと響きあうわけですが、Slapp Happyとは解説にもあるように「前衛音楽家たちの仮想するポップ・ソング」を目指していたわけです。そしてそのフィルターのかかった「ポップ・ソング」とは、どこまでも奇妙にねじれたものになるわけです。外部から眺めているような構造ですから。「ポップ・ソング」とは、目指すものではなく、<自然とそのようになる >のが重要なのです。そこにはいくつかの諸要素が必要かもしれませんが、全体として「仮想」されるようなものではないでしょう。もちろん本作は綿密なマーケティングなもとに作られた前衛ポップかもしれないのですが。結局マジなのかメタ的作風なのかなのです。おそらく前者なんでしょうが、聴いているとどうもポップソングの解釈学見たいになっている気がして没入できないです。楽曲は面白いものが多いです。もう少し歳を重ねれば好きになるかもしれません。両バンドの関係は靴下3部作のラスト"In Praise Of Learning"においても継続されています。