Kronos Quartet : Winter Was Hard
ARTIST / Kronos Quartet
TITLE / Winter Was Hard
LABEL / 1988
DATE / nonsuch
TITLE / Winter Was Hard
LABEL / 1988
DATE / nonsuch
1415。myspace。以前紹介した盤"Sculthorpe / Sallinen / Glass / Nancarrow / Hendrix""Cadenza On The Night Plain"。なんだかんだいって解釈者としてのパフォーマーというのも重要であると考えているわけで。ポピュラー音楽を支配するキャピタリズムな産業構造ではなかなか顕在化しませんが。だからといいますか、Kronos Quartetがやっていることはポピュラー音楽の解釈手法として興味深い実践であるから僕をひきつけるのですね。本作ではJoan Jeanrenaud(チェロ)、Hank Dutt(ヴィオラ)、David Harrington(ヴァイオリン)、John Sherba(ヴァイオリン)という4重奏で聞かせてくれます。では作曲者紹介を。彼ら御用達のフィンランドの現代音楽作曲家Aulis SallinenやいうまでもないTerry Rileyをはじめ、エストニア出身でミニマルミュージックに影響を受けつつ宗教音楽傾向にあったArvo Pärt、新ウィーン楽派でシェーンベルク一門のAnton Webern、 Text Of Lightのメンバでもあるターンテーブリストを招いたJohn Zornによる曲(太田裕美の声が印象的です)、フェイクジャズを標榜したLounge Lizardsのサックス奏者John Lurie、アルゼンチン出身のバンドネオン奏者でタンゴ改革者のAstor Piazzolla、いわずと知れたソ連の作曲家Alfred Schnittke、ラインナップのなかでは異色である新ロマン主義音楽に数えられ伝統を尊重したアメリカの作曲家Samuel Barberといった感じです。見てるだけでよだれが出てきそうですね。とはいえまだKronosとしても選択する作曲家がその筋にとどまっている時期でしょう。今ではSigar Rosなんてやっちゃてるわけですから。構成は多様なのですが音色も限定的で、結構淡白な印象を持ちます。しかしそれも夏真っ盛りに聴くにはいいのかもしれません。にしてもコダワリ派の人々にとってはKronos Quartetって色物扱いになるんでしょうか。教えて詳しい人。