Kalima : Flyaway
ARTIST / Kalima
TITLE / Flyaway
LABEL / factory
DATE / 1989
TITLE / Flyaway
LABEL / factory
DATE / 1989
1414。Joy DivisionからNew Orderへ、そして再評価高まるA Certain Ratioなどイギリスで一時代を築いたレーベルfactoryより。前身のSwamp Childrenからfactoryを中心に活動してきバンドKakimaです。本作の位置づけは初期トラック・B面音源集ということらしい。M1M1はSwanp Children名義の曲となっています。メンバの流動も激しかったようで曲によってさまざまな面子が参加しています。特にJeremy Kerr(ベース、ヴィブラフォン)、Anthony Quigley(ベース)、Martin Moscrop(ドラム)、Andrew Connell(キーボード)といったA Certain Ratioに絡んでいた関係者が多いですね。レーベルにおけるミュージシャンシップなのでしょうが。あとはThe Pale FountainsのAndy Diagramとか。これらの人はM5からM7に集中しているのですが、ビッグバンドっぽく演出されたそれらの楽曲は結構しびれます。全体的にラテンなノリが充満していまして、なかなか異色なバンドであったことをうかがわせますが、このような多様なスタイルが他のロック音楽と同列に配置されているというのも80年代を彩る特徴なのでしょう。いわゆるポピュラー音楽においても西欧のスタイルへワールドミュージックが流入していくという構図の末期ですね。 Kalimaは近年におけるクラブでの受容も高いようで、たしかにエキゾチックなヌー・ジャズとして聴けなくもないです。M7'Sparkle'をはじめとして普通にかなりの名曲もあったりしてちょっと腰を抜かすかもしれません。もはやこれらも、歴史文脈から剥奪され、「音源」として長大なミックスのなかに埋没し、その部分を形成するようになったというのは、にゃんともきゃんとも。まあそれは度外視してもいい盤です。