Henry Cow : Concerts
ARTIST / Henry Cow
TITLE / Concerts
LABEL / caroline(virgin) / ReR megacorp
DATE / 1976 / 2002
TITLE / Concerts
LABEL / caroline(virgin) / ReR megacorp
DATE / 1976 / 2002
1434。2枚組ライブ盤。Slapp Happyと合体を果たしたのちいろいろあって、結局6人からなる新体制Henry Cowが誕生し、そこから1年半に及ぶヨーロッパツアーに繰り出した。そのメンバを確認しておくとChris Cutler、Dagmar Krause、Fred Frith、John Greaves、Lindsay Cooper、Tim Hodgkinsonですね。しかしその少し前に所属するレーベルvirginはHenry Cowをサポートする気がまったくなくなり、ツアー資金の捻出さえ自分たちでやったそうです。Robert Wyattを招いたパリ・ロンドン・ローマの3都市公演をはじめ、フランス、オランダ、ベルギー、イタリア、ノルウェイなどでライブを行います。しかし76年にGreavesがアメリカのPeter Blegvadを追って脱退を表明、さらにKrauseまで病気になるという事態。それを期にレパートリーを捨て、4人によるインプロオンリーバンドへと変貌します。すごいですね。で、ユアー終了後に制作されたのが本作となります。レーベルから制作費が得られないために、すべてを自分たちで手がけることになるが、金いらんのなら魅力的ということで、virgin傘下のcarolineから本作をリリースする
ことになったようです。本当に大変な時期ですね。まさにジリ貧です。しかしそのような状況下においても、死に物狂いでやればこのように後世にしっかりと受け継がれるわけですね。さて内容はといえば、コンポジションとインプロというHenry Cowのわらじが機能しているのはいういまでもありません。Robert Wyattが傘下した曲、あるいは彼のカバー曲もしっかり収録されています。1995年にCD化された際にボーナスとして収録された"Greasy Ttruckers Live At Dingwell's Dance Hall"(1973)というオムニバスライブ盤からの曲も引き継がれています(この頃のメンバはもちろん1stの頃のものです)。白眉は2枚目の'Oslo'と呼ばれる26分に及ぶインプロ曲でしょうか。ひとつのバンドが必死にもがきながら、なんとかパフォーマンスを続けたいという充実した欲望から生み出された1つの大きな成果が本作に記録されているわけです。Henry Cowはやはりライブバンドなのであることを認識するのですね。非常に重要な盤です。