Underground Resistance : Interstellar Fugitives 2 - Destruction Of Order
ARTIST / Underground Resistance
TITLE / Interstellar Fugitives 2 - Destruction Of Order
LABEL / underground resistance/submerge
DATE / 2005
TITLE / Interstellar Fugitives 2 - Destruction Of Order
LABEL / underground resistance/submerge
DATE / 2005
1346。日本中が歓声に包まれた2005年。長きにわたる地下の活動から再び顔を出したデトロイトの反逆集団たち。僕は結局来日公演には行かなかったですけれども、現在でも表立った活動を続けていることからしばらくはURの活動に目が離せない状態は続いていると考えてよいでしょう。1998年に出た"Interstellar Fugitives"の続編である本作では現在もかわらぬアンチな姿勢が貫かれているようです。おそらく個人的にはURの盤をはじめて買ったわけであるけれども、いまだ彼らと同世代を生きているという事態を許してくれたことに感謝したい。その意味ではこの盤をはじめて買うということに価値はあるだろう。URはポピュラー音楽においてなかなか定位しにくいものであり、それは作品の生産において特に現れている。本作はURの盤として理解されるわけだが、その中身はURという集団の構成員たちによるコンピレーションという体裁をとっている。しかしやはり、あくまでもURという一個の思想を同じくした人々によるユニットであると理解したほうがしっくりくるように思う。なかなか難しい。もちろん本作のクレジットには首領であるMad
Mikeの名前があり、また以前紹介したDJ 3000(参考:1)によるトラックもある。そのような多くの名の知れた構成員によるトラックに混じってThe Unknown Soldierによるものも含まれている。幹部と名もなき兵士たちのマテリアルが本作では混同しながら、しかし一種の同一性を確保している。もちろんそのような各構成員の位置づけは階級性のような旧体制を暗示するかもしれない。幹部にはナンバリングが与えられているのもその証拠かもしれない(Mad Mikeの番号は40である)。なんにせよ、デトロイト・テクノがさらに展開されていくなかで、URの抗いがますます先鋭化し、日本でもその全貌も白日のもとにさらされる日が来るだろう(野田努氏らだけでなく、個人的には美学者たちからの応答を期待したいが)。あと興味深いのは本作の一部が日本で録音されているということである。日本にはURのシェルターが存在するらしい。なんとなく笑えない事態である(メタファー的に)。内容は語らずも、推し量るべし。あまりに渋く黒く重いが、クラシックである。2枚組。