Alasdair Roberts : No Earthly Man
ARTIST / Alasdair Roberts
TITLE / No Earthly Man
LABEL / drag city
DATE / 2005
TITLE / No Earthly Man
LABEL / drag city
DATE / 2005
1304。myspace。Appendix Out(参考:1)の中核メンバであるAlasdair Robertsのソロ作品。drag cityのフォーク・カントリー畑に咲いている以上、Will Oldham系ということになる。なので本作のプロデュースをつとめているのがWill Oldhamであるということは当然である。というかdrag cityにおけるこの手の盤の裏方を務めるのはOldham兄弟である場合が多い。参加者はAppendix OutのメンバであるGareth EggieとTom Crossley(The Pastelsにも絡んでいました)、vhf系のAlex Neilson、元Belle & SebastianのボーカルIsobel Campbellといった面々。なかなか交友関係に幅がありそうです。そして本作で注目すべきなのは、各曲がAlasdair Robertsのオリジナルなのではなく、古くから伝わるいわゆる「民謡」であるというところでしょう。このような実践がアメリカでは通用するというのは日本とは状況が異なるからです。日本の音楽がいかに西洋化され、「民謡」がはるか後景に押しやられているかは強調するまでもないでしょう。ふわっと沖縄の島歌などがヒットするくらいです。もちろんアメリカでもそのような状況なのかもしれないが、伝統民謡に比較的意欲的な音楽家が継続的にコミットしていくという状況があるのは確かでしょう。それを可能にするのは音楽形式、文法がそれほど崩されていないというところに依拠しています(と日本人の素人は表層的に感じます)。本作でもかつての歌心を今に残そうという音楽家たちの大いに評価すべき実践が鳴っています。