Rhys Chatham : A Crimson Grail - For 400 Electric Guitars
ARTIST / Rhys Chatham
TITLE / A Crimson Grail - For 400 Electric Guitars
LABEL / table of the elements
DATE / 2007
TITLE / A Crimson Grail - For 400 Electric Guitars
LABEL / table of the elements
DATE / 2007
1272。myspace。たんなる馬鹿なんでしょうね、こうことをする人は。La Monte YoungやGlenn Gouldといったピアニストの調律師としてキャリアをスタートさせ、Tony Conradらとともに音楽活動を始める。彼はミニマル音楽畑(Philip Glass、Steve Reich)ないしそれと近似する逸脱したロック音楽家たち(Brian Eno、Robert Fripp、Fred Frith)と交流する中で、パンクロックに衝撃を受け、現在はまた壮大な馬鹿プロジェクトという形で前衛音楽に戻っているという感じか。table of the elementsごのみの存在であることはいうまでもない。本作は2005年のフランス夜更かし祭りNuit Blancheのために作られた、タイトルどおり400人のエレキギターのための音楽です。全員が方からギターをぶら下げ、エレキギターを鳴らすのだ。クレイジー。その場には1万人が詰め掛けており、テレビで生放送もされたらしい。そりゃ見たくなりますわ。しかし400人が好き勝手にソロを弾きまくるとか、ストロークでかき鳴らすとか過激なものではなく、基本的に旋律の動きも少なく、尋常じゃなく重ねられたオーケストレーションとなっている。すごい壮大です。多分ちょっと聴いただけではエレキギターとはわからないでしょう。態度としては異なるのだが、シューゲイザーの実践をを突き詰めるとこうなるのではないか、といった感じ。まさに化け物的実践であり、エレキギターがこれまで通過してこなかっただけに記念碑的な作品となっている。曲終わりには拍手も収録されているように、ライブ音源。偉大なる暴挙とその成功に敬礼せざるをえない。映像が見たいなぁ。myspaceで聴けば分かりますが、この人の音楽性は極めて多様なので、今後盤を取り上げる事があれば書いていきたいなぁと。とくにninja tuneとの関係とか。