Mantler : Sadisfaction
ARTIST / Mantler
TITLE / Sadisfaction
LABEL / tomlab
DATE / 2002
TITLE / Sadisfaction
LABEL / tomlab
DATE / 2002
1250。以前紹介した盤"Landau"。tomlabがLサイドから僕の知識に伝来したときに一緒に伝わった飛び道具がMantlerのこの盤だったわけで。先の盤のレビューでも触れられている通り、本作に関してはそれほどよいイメージがなかった。しかし"Landau"がよすぎたから何度もスルーしてきたこの盤に手を伸ばさざるを得なかったという。聴いてみると、確かにMantlerなわけであるが、やはり"Landau"に比べると格段に落ちるという印象。やや平板で起伏のないメロディである。響きの作り方は類似しているが、なんとなく下手な感じがある。先のレビューでも触れているが、この盤ですでにBrian Wilsonを想起させる構成が見て取れる。一応ことわっておくと、ここでBrian Wilsonと言っているのは便宜上立てた名前に過ぎない。確実に僕の音楽遍歴で大きな位置を占める何かしらとの強い類似を示しているのは間違いないのだ。だからやっぱり世間的評判のようにRobert Wyattの可能性なのかもしれない。以前は興奮してしまってデータを書くのを忘れたのでここに。Mantlerはカナダ出身のChris A. Cummingsというかたによる名義で本作は2ndあたりに当たる。"Landau"からしばらく音沙汰がないようだが、早く新譜を届けて欲しい、そしてそれを確認したいと強く思う作家の1人である。本作も決して悪くはない。M4などは印象的である。歌モノという限りなく最高の形式を巧に実現すべく、過去からまだ十二分に探索されていないところを掘り出してきた素晴らしい着眼点を褒め称えなければならない。本作に限れば過去の挿話を伴っているぶん思いいれも強く、個人的には記憶に刻まれた1枚だった。しかしやはり騙されたと思って"Landau"のほうを聴いてください。