Emerson, Lake & Palmer : Pictures At An Exhibition
ARTIST / Emerson, Lake & Palmer
TITLE / Pictures At An Exhibition
LABEL / manticore records
DATE / 1971
TITLE / Pictures At An Exhibition
LABEL / manticore records
DATE / 1971
1249。以前紹介した盤"Tarkus"。邦題『展覧会の絵』。うちの大学で音楽学担当している先生は思いっきりクラシック畑の人なのですが、この盤の名前が口から漏れたことがありました。それはもちろんこの盤の成立がクラシック的なものとロック的なものの融合にあるということに由来するでしょう。邦題からも用意に推察できるし、この盤を聴けばさらにすぐ了解できることですが、この盤はムソルグスキー作曲の組曲「展覧会の絵」をロック的に解釈するという試みの実践なわけです。ムソルグスキーの組曲のもっとも有名な旋律は、皆さんも耳にしたことがあると思いますが、テレビ東京系列「たけしの誰でもピカソ」で使われているあれですね。昔よく見ていたので、あの番組自体のチープさとその旋律とが一体化していて、この盤のイントロでそれが出てきたときやや滑稽味を感じましたのは秘密。しかも強いコンセプトが軸としてある一方で、この盤はスタジオ録音ではなくライブ録音だという。単なるクラシックのカバーだ、とかなぜライブ音源なんだ、というような不平不満も多そうですが、それはそれとして楽しむのがファンに要請されることでしょう。本作でもELPに特徴的な(ということを看破するほど聴いてるわけではない)Emersonの鍵盤プレイはライブ音源であることをマイナスに感じさせない巧さを持っていますし、むしろ全体を通じたテンションの高揚によってさらに緊張感のプレイになっているようにも感じます。また単なるクラシックのカバーというよりも、やはり確実に「ロックの文法」「プログレの文法」(があるとして)というものに乗せて(リズムの取り方、ソロの構成の仕方、アンサンブルなど)いるのは明らかですから、何よりもプログレっぽいと感覚的に感じます。M6M9なんかオススメ。