Sammy : Debut Album

ARTIST / Sammy
TITLE / Debut Album
LABEL / smells like records
DATE / 1994

1215。3人組み。だいたい８トラックのカセット宅録。smells likeについて少し説明すると、ご存知Sonic YouthのドラマーSteve Shelleyによるレーベルです。どういう運営方針かわかりませんが、この盤を聴く限り、前衛方向へは進まずに、インディーの良質なバンドの盤を出したいのかしらんと想像させます。インディー・ロックの文脈においてPavementというバンドをひとつの画期とするならば、94年は当然それ以後どうするかという問題をはらんだ重要な時期である。このバンドもカセット宅録で目指したのは決して上質で品の良い音楽性などではなく、自分達の肌にあったやってて気持ちいい音楽だったろう。この盤を聴けばよくわかる。非常に良いバンドだったことが想像される。ゆるゆるのギターは当然Pavementを意識していたのだろう。手持ちの素材でできるだけ深いことをやろうとする実験精神も感じさせる。たとえこの盤のジャケが糞みたいな出来でも、それは問題ではない。多分高校の頃この盤に出会っていれば、Beckの諸作とともに、ええなぁ、と行っていたはずである。Beckほど捻っていないところも取っ組みやすい。いいバンドだったが、この1stのあとは、おそらく2nd出して消えていったのだと思う。あと1枚出して90年代後半を粘りきればスポットライトも期待できたかもしれないのに。消してはいけない良盤。