DNA : Last Live At CBGB's
ARTIST / DNA_
TITLE / Last Live At CBGB's
LABEL / avant
DATE / 1993
TITLE / Last Live At CBGB's
LABEL / avant
DATE / 1993
1216。1978年に発表された有名なコンピ"No New York"。Brian Enoのもとに集った楽器も弾けない若者たちは、その盤に参加することできちんとポピュラー音楽史に名を残した。パンクという単純さがイギリスで発生し、それが極限に押し進められるとき、演奏は放棄されるという。もちろんDNAも例外ではなかった。Arto Lindsay、Ikue Mori、Tim Wrightという3人が82年に録音したライブ音源がこの盤。ラストライブだったようだ。個人的にいえば、きちんと表玄関から入るために"No Neu York"を先に取り上げるべきなんだろうが、まあいいか。ちなみにこのライブ盤は日本でリリースされたようなのだが、ライセンスはどこが持っているのだろう。日本がアバンギャルド音楽の聖地として成立するにあたって、Ikue Moriが果たした役割は大きいのだろうか。ダモ鈴木はどうだろう。世界で日本人が圧倒的にマイノリティだったとき、種まきをした人々を集めた文章などないだろうか。現在でもIkue Moriの発言などを読む機会があるが、この70年代末に起きたNoという現象はやはり彼女にとっても大きな契機だったようである。初めて聴いたDNAは意外にも期待を裏切らない先鋭さを持った存在だった。ギターもドラムもベースもすべてぎらついている。この頃には当然素人ではなかったろうが、その演奏のぎりぎり加減も極めてかっこよい。というか音が好きだ。前衛というにはあまりにもぷりぷりした快がある。この音を求めて僕はSwansをはじめとしたニューヨーク界隈に足を突っ込んだのである。DNAにはそれがあった。Velvetsとの親和性があるのかもしれない。素敵なライブ音源である。今も手軽に手に入るのでしょうか。歓声や拍手が異様にまばらなのはミックスによって抑えられたのか、それとも本当にほとんど人がいなかったのか。