Don King : One Two Punch (Knockout)
ARTIST / Don King
TITLE / One Two Punch (Knockout)
LABEL / doublevision/atavistic
DATE / 1985/1997
TITLE / One Two Punch (Knockout)
LABEL / doublevision/atavistic
DATE / 1985/1997
1014。もともとMarsのメンバであったMark CunninghamとLucy Hamiltonを中心とするユニットです。つまりいわゆるノーウェーブ文脈ですね。atavisticの主眼とする領域のひとつです。M1からM5はDuncan Lindsay(Artoの弟)、Toni Noqueira、Arto Lindsayといった面子が参加。M6ではその面子からArto Lindsayが抜けます。M7からM10はPere UbuやRed Krayolaなどに参加していたTony Maimone、そしてBill Perryという人が参加しています。M1からM5はSonic Youthなどを手がけたMartin Bisiとの共同プロデ。M1からM5がdoublevisionからリリースされた12"でそれにボーナストラックを加えてリリースしたものと考えるべきだろう。M1はFoetusことClint Ruin(参考:12)と一時期Swansにも在籍したRoli Mosimannによるリミックス。ニューヨーク関係のじめじめした人脈が集められており、もうそれを書き起こすだけでどうでもよくなってくる。へなへなしたボーカルとギター、とりあえずたたいてますといったドラム、ぺろぺろ~と鳴らされるホーンなど。それらを基調にしながらLindsay兄弟ら織り成す緻密なパーカッションなどがカテゴライズ不能でいて、しかしもっとも好奇心を書き立てる類の音を作っている。前衛的というもっとも簡略化された言葉がここまで似合うバンドもなかなかない。それでいて難解に堕すこともなく、しっかりと(はてなマークをちらつかせながら)聴くことができる。ボーカル曲なども後半のボーナストラックには見受けられ、そこでは非常にシンプルな構成で地道にやっていることもあるが、決して衝動を消し去らないというメンチが聴くものをにらみつける。うん、素敵。