Jason Potratz : Transfer
ARTIST / Jason Potratz
TITLE / Transfer
LABEL / phthalo
DATE / 2001
TITLE / Transfer
LABEL / phthalo
DATE / 2001
1137。かなり久しぶりのphthalo。ちょっと前まではよく目に付いたこのレーベルも最近ではめったに見なくなった気がしますが、気のせいでしょうか。My Bloody Valentineに実験音楽の可能性を見て取ったというこのJason Portratzさん、ジャケからも見て取れるなんともアシッドな表象は、音楽にも現れています。決してマイブラ的に靴を見つめるわけではないので注意。レーベルのページでのコメントを見ると、アシッド・ハウスという言葉が目につきます。TB-303の仕様によって、たしかにrephlex系の作家などによく見られるような音を出しています。構成の妙はやや劣る気もしますけれども。4つ打のキック音で安定感が保たれていますが、基本的に不穏な表面を持っています。粗目な表面でもあります。深淵さが演出される音作りも見られます。それゆえ、洗練させるというよりもかなりわざとプリミティブな方向へと進んでいるように感じられます。粗目の表面を抜いたときはいがいとすっきりとデトロイト的風味を見せてくれるので、その方法と緩急をつけて構成していけば人気が出そうだと個人的に思います。M7からM9あたりへの流れ。レーベルカタログでは、ぱっと見たところ、一応この盤以外にも2枚まだforthcoming状態でアナウンスされているのですが、それがどこまで実現へと段取りを進めているのかはわかりません。というかまずは一枚ずつちゃんと出して行けよといいたい。この盤は後編にいくにつれてクールさが増していくいい盤です。