Wire : 154
ARTIST / Wire
TITLE /154
LABEL / harvest(emi)
DATE / 1979
TITLE /154
LABEL / harvest(emi)
DATE / 1979
1086。さすがに名盤とされるだけあって、結構繰り返し出されています。リリース当初は初回扱いか何かで4曲入りの7"がついてきたようで、CD盤にあってはボーナストラックを収録するさいに慣例としてそれを含めるて17曲になるそうです。非常に妥当なボーナストラックである。けれども2006年に再びリマスターされて出たときは13曲でした。1994年にリマスターされて出たとき、さらにもう1曲'Go Ahead'という曲が最後に追加されていますが、おそらくこの年だけだと考えられます。僕が買ったのはこのときに同時に発売されたと思われる日本盤でロック名盤1500というやつです。作品性は否定されるかもしれないが、リイシューもののお得感があるのは1994年のものだと思うから買う人はその辺を考慮にしてください。さてポスト・パンクないしニューウェーブと呼ばれる機運が高まる英国において、Wireが占めた位置は重要です。Wireの存在を不遜な僕に示してくれたのは、Lサイドですけれども、そこで引用された有名な一言、「ロックでなければなんでもいい」というのは僕の無邪気なひねくれ精神にたくみに響きました。しかし現在から振り返って指摘するならば、この言葉自体は「ポスト」と「ニュー」を背負った時代精神の発露であるといえるだろう。すなわち、シーン全体が表明してしかるべき言葉であったということである。それがどの程度説得的であるかは別として。"Pink Flag"とともにWireを代表する盤としてたびたび引き合いにだされるこの"154"だが、センスのよさというものは着実にその後のアメリカ勢に引き継がれ、90年代を準備したといえるだろう。音自体は軽めであるが、演奏はかなり重く、それがAlbini関係との共鳴を見せているといえるかもしれない。素敵じゃないか。