Crain : Speed
ARTIST / Crain
TITLE / Speed
LABEL / automatic records/temporary residence
DATE / 1992/2004
TITLE / Speed
LABEL / automatic records/temporary residence
DATE / 1992/2004
1066。1992年にLPで1000枚限定リリースされたものに音源ボーナストラックを加えて適切にリイシュー。オリジナルはAlbiniによる録音。ボーナストラックM12M13M14はワシントンD.C.にてDon Zientaraによって録音されました。Will Chatman(ドラム)、現Shipping NewsやThe For CarnationにからむJon Cook(ベース、ボーカル)、現ParlourのTim Furnish(ギター、ボーカル)、Joey Mudd(ギター、ボーカル)。この盤にクレジットはなかったと思うがCrainの元メンバとして重要なのは現Matmosの片割れであるDrew Danielである。さて、しびれる。ドラムとベースがかっこよすぎる。M1のベースで胸きゅんです。このバンドを知ったのは多分2005年のベスト選出もしたコンピ"Louisvillesonicimprint"だったと思う。ルイヴィルをひとつの音楽共同体としてみなした素晴らしいコンピだったが、そこにこのCrainも刻まれていた。ときになされるtemporary residenceのリイシューのセンスはさすがとしかいいようがないけれどもルイヴィルシーンに意識的なのはPapa Mなどを抱えていたことからも伺える。この盤をリイシューしないでどうするというほどの熱量と現在に通用する細部を持っているといえるだろう。たしかに全体を眺めると、かなりメロディックなものに解消されているのではと思わせる部分が多い。その意味ではボーナストラックがワシントンD.Cでとられたという意味も了解できるかもしれない。しかしリズム隊の構成を聴いてあげてください。「ハードコア」というものがまさに「マス・ロック」と呼ばれるもの、それ以前の技巧的な構成をもつ「ポスト・ロック」と呼ばれるものと連続しているというのは、このCrainが適切な間隙を埋めるものとしてたち現れるところから了解できるでしょう。同郷のSlintなどが評価される今、Crainにもそのダイナミズムの一部を構成したということで光を当てられてしかるべきだろう。あまりこの辺の事情に通じていないので、無知を武器にこの盤は評価されるべき名盤の位置へ推薦してしまおう。