Sonic Youth : A Thousand Leaves
ARTIST / Sonic Youth
TITLE / A Thousand Leaves
LABEL / geffen records
DATE / 1998
TITLE / A Thousand Leaves
LABEL / geffen records
DATE / 1998
1046。今更何を、とおっしゃるあなた方は正しい。CDを人から借りることはまあないのですけれども、4年前に知人に聞かせてもらい、良い盤であるということを確認したので、そいつからとりあえず借りてかなり聴いたので、自分で買う機会を失っていました。"Washing Machine"という予感に満ちた良盤に続いてリリースされた本作は、まさに現在のたゆたうSonic Youthの完成形が見られるといってもよいだろう。続くリリースがJim O'Rourkeが参加してのN.Y三部作であるから、その直前にすでにSonic Youthが仙人的境地に到達していたのは明白である。この盤は素晴らしい。乾いた感傷はどこまでも深く、どこまでも沈鬱しているが、パステル色のポップさが残っている。それがジャケに現れる少女の面影において寓意されている。予断なく、かっこいいと思える。この盤で続くステージを彼らが見据えていたのは確実である。M2が名曲に誉れ高い'Sunday'である。しかしこれを取り立てて取り上げる必要がないと思うほど、一貫して新たな哲学を打ち立てたSonic Youth像がさまよっている盤である。初期のSonic Youthに見られる悪賢さは後ろに後退しているから、それを愛好する人々には物足りなく感じるだろうか。しかしSonic Youthほど、自分を保持しながら見事に新しいソファに深々と座りなおした80年90年00年代のバンドはいない。キャリアはゆうに20年を超えるが、今でも新譜が待たれるという事実。もう彼らもいいおっさんおばさんである。しかしその感性は老成したみずみずしさという合一を可能にし、そして今でも10代20代の若者たちをまさに同時代的に揺さぶるのである。聴け。名盤認定はもろもろの理由で保留。