Patcha Kutek : Lomito Saltado
ARTIST / Patcha Kutek
TITLE / Lomito Saltado
LABEL / beta bodega
DATE / 2001
TITLE / Lomito Saltado
LABEL / beta bodega
DATE / 2001
1047。2000年入ったあたりでたしかbeta bodegaは名前が流布するようになった。何関連だったか忘れたが、ヒップホップ・ビートの文脈だったというのが生覚えから搾り出されるところのものである。あとはポリティカルな主張を行っていったこと。そして何よりもマイアミをベースにしていたということが重要か。さて、最近めったに名前を聞かんなぁと思っていた、というか忘れてもいたが、目に留まったので買ってみる。いつものようにレビューを書くためにちょろっと調べるとどうおもbeta bodega自体は活動を終えたらしい。おいおい。またひとつ、エレクトリック・レーベルのバブル時代を終焉させるという事例が出てきたか。二つの下部レーベルは中心にまだがんばっているようだが、なんとも悲しい話である。仕方ないから回収にせいを出すとしよう。とりあえず、その辺の話は置いといて本題へ。Patcha Kutekって誰やねん、といつものように突込みが入るかもしれませんが、なんてことはない、単なる同郷レーベルschematicのRomulo Del Castilloです。Takeshi Mutoという日本人を擬態した名義のほうがとおりがよいかもしれません。こう説明すると僕がbeta bodegaに一時的であれ意識的であったというのはschematicが鍵になっていたことが見えてきますね。Patcha Kutek名義はそれこそbeta bodega関連を中心に使用していた名義のようです。やってることは先鋭の音の粒で構成された攻撃的なIDMであり、コンピなどで聴く彼のソロ音源と大してずれていないように感じられる。いつものようにねじれたビートで低いところにたちこめており、決して高揚感のあるものではないが、この手の楽曲を作らせるとさすがというアイディアに満ちているように感じる。たとえばラストM7、尋常じゃないほど遠くで鳴っている(イヤホンをとって外の音かどうか確認するくらい)旋律が徐々に大きくなっていくあたりがそうである。このように記述すると陳腐に感じられるかもしれないが、必要以上に序盤は遠景でなっているので。それにしてもこの手の低いビートを作る作家は本当に旋律を作らせても一級の感性を発揮するので、そこに何か奇妙な核心が潜んでいるのではと疑ってしまう。まあ攻撃性との対比で響くのかもしれないが。